映画『紀子の食卓』を観る

おれは園子温好きだが、初期作品の『紀子の食卓』をまだ観ていなかった。なんとはなしに、家庭内カルトもののようなものを想像していた。たとえば、山本直樹の『ありがとう』みたいな。

それとはちと違った。インターネットの黎明期（関係ないがおれはアングラ私書箱「廃墟」出身である）、女子高生たちの集団自殺、疑似家庭ビジネス、そんなん。そんなんであって、ラーメンが獣臭くない。ぐさりとえげつないぶっ刺してくる感じはない。

とはいえ、いいところがある。出演者がいい。吹石一恵、つぐみ、吉高由里子、安藤玉恵の名前なんかもある。若い吹石一恵になんの欠点があろうか。つぐみは美しいじゃないか。このあたりはゴージャスや。そんで、翻弄される光石研というのも悪くない。

ま、そんなところ。