今さら『オールドボーイ』(韓国映画)を

 

おれはてっきり『オールドボーイ』なんてとっくに観てると思ってた。思ってただけだった。韓国映画ノワールものと、キム・ギドク作品と、ペ・ドゥナが出てるやつはおおよそ観ていると思っていたが、傑作と名高き『オールドボーイ』未見だった。

して、何を語ろうか。あまり語りたくはない。「何をいまさら? みんな知ってるよ」となるくらいの旧作(レンタルとかにおいて)には違いないが、しかし、やっぱり言いたくない。おれはネタバレというものをできるだけ回避して(アニメの次回予告も不要だ)生きていたいタイプの人間なので、「ネタバレむしろ歓迎」のような人のための感想は書けないのだ。

というわけで、中身のない話になる。ともかく、えらいものだった。人間の情念というか、なんというか、魂をえぐるような代物だった。こいつはすげえ、たしかに十何年経っても名前が挙がるわけだ、そう思った。生きたタコを食らうような、激しいバールのようなもので、エロいところはえげつなくエロい、凄まじき映画であった。

さて、問題はこれからだ。本作の原作である日本の漫画を読むべきであろうか。あるいは、アメリカのリメイク版を観るべきであろうか。どうも、原作であれ、後出しであれ、これ以上のものがあるのかどうか疑問ではある。そしておれは本作で、ある意味「ネタバレ」を知ってしまっている。まあ、いずれ。

 

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]

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