『毒々生物の奇妙な進化』を読む

 

毒々生物の奇妙な進化

毒々生物の奇妙な進化

 

毒のある生物……venomousu、toxic、poisonnousといろいろありらしいが、ともかく有毒生物の話である。カモノハシの毒では一度に30mg(通常なら1時間に1mg)のモルヒネを注射しても効果がなく、神経ブロック注射で腕全体を麻痺させなければなかったとかいう話のオンパレードである。ちなみに、カモノハシの毒にやられた退役軍人は、戦場で撃たれたときより痛かったと述べているらしい。

して、進化という点ではどうか。

生物皆、毒という武器を持てばかなり強まるようは気はしないだろうか。ところがどっこい、毒を生成して武器にするには、それを得るために身体の成長や強化やなにかを犠牲にせねばならぬという。

 一つだけ、すべての毒液に共通して言えることがある―とてもコストがかかる、ということだ。

ヘビとかでも、毒蛇になるより、巨体化して締めつけて殺す方がメリットがある場合もあるということだ。毒を生成するには多大なコストを払わねばならんのだ。ゆえに人間に毒がないのは普通のこと、なのかしらん。影慶!

そんなわけで、毒に関するエピソードと、毒が難病に効果があるとかいう話が書いてあった本であった。以上。