バルドブリンガーやる価値あるのかね?

珍しくゲームの話をする。それもエロゲーの話である。エロゲーであるといってもバルドブリンガーである。わからない人間は置いていく。

恥ずかしながらおれがこのゲームの存在を知ったのは最近だった。曰く「最後のバルドシリーズ」、曰く「バルドであってバルドでない」。ネタバレを避けつつ評判を見てみる。たしかに、バルドであってバルドではないようだ。そして、絶賛する声はあまり多いようには思えない。

とはいえ、最後のバルドなら買うしかない、というくらいおれはバルドシリーズが好きだ。とはいうものの、バルドスカイから始めたわけだが。ともかくその、愚直なまでの、ある意味古典的ともいえるサイバーパンク世界。そして、自由度の高いアクションシーン。

そう、自由度の高さだ。世の人はバルドシリーズ=相手を浮かせてひたすらコンボを繋げるゲーム、と思っているかもしれない。だが、おれは不器用だし、延々とコンボを繋げるほど若くはないのだ。

その代わりにおれが選んだ戦法は、アウトレンジ攻撃。ミサイルランチャー、ライフル、手榴弾火炎放射器、なんだかわからない飛び道具、そういうもので、相手と距離を取りつつ、削っていく。「それも」できるのがバルドのいいところだ。もちろん、たまにはネットの攻略情報を見て近接攻撃でコンボの真似事もするけれど、あくまでアウトボクシング

それがどうだろう、この最後のバルドとなったら、まず相手を浮かせることもないし、近接攻撃もナイフとかそういうレベルで、アッパーカットとかスライディングキックとかないわけだ。そして、なによりコンボがない。むしろ、おれが今までやってきたプレイスタイルに沿ったような形にすらなっている。

「それじゃあおれに面白いんじゃないのか?」、というと、まだ序盤だが「否」なのだ。ひたすら湧いてきては押しくらまんじゅうしてくる大量の雑魚キャラ、やけに固くて、懐に飛び込んでショットガン連打で殺すだけのボス……。

なんというのか、爽快感がない。頭をつかうところもない。作業に近い。やっっぱり今までおれがやってきたプレイスタイルとも違う。柱の陰に隠れて撃ち合ったりという情緒がない。ともかく湧いてくる雑魚キャラ、まとわりついてくる雑魚キャラ、なんとか無双のように、それを一掃する気持ちよさもなく……。

まあ、まだ序盤だけど。序盤なんだけどさあ。なんか面倒くさくなってるのよ。いやね、話の方はなんか面白くなりそうというかね。それこそバルドスカイがあらゆるルートを活かしきって、紡ぎ合わせていったように、バルドシリーズをすべてまとめ上げるようなものになるのかもしれない(おれはほんとうにゲームシステムすら活かしたバルドスカイ1と2のSFらしさはすばらしいと思うのだけれど。それこそ『シュタインズ・ゲート』級に)。そうかもしれないけど、今のところ戦闘があまりにもつまらん。この、戦闘のつまらなさの先に、すばらしいストーリーが待っているのだろうか。それとも、武器や敵が変わっていって、あるいはおれが上手になって戦闘がおもしろくなるのだろうか。すくなくとも、ゲームをプレイせずにこんなことをグダグダ書いている時点で、それについて懐疑的だ、ということは認めねばならない。だが、買ったんだぞ。文庫本何冊分だ、昼飯何食分だ、元は取りたい。