これぞ正論、今スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ、みうらじゅん対談集『正論』を読む

 

みうらじゅん対談集 正論。

みうらじゅん対談集 正論。

 

こないだMJの展覧会に行って以来、「MJってすげえんじゃねえか?」と、齢四十にして思うようになって、対談集なんかを読んでみたというわけ。対談相手は以下のごとし。

峯田和伸(銀杏BOYZ)/山田五郎/杉作J太郎/遠藤賢司/田口トモロヲ/ウクレレえいじ/和嶋慎治(人間椅子)/根本敬/ROLLY/いとうせいこう/安齋肇/猫ひろし/水野晴郎/喜国雅彦/大槻ケンヂ/泉麻人/西城秀樹/久住昌之/しりあがり寿/松久淳/RYO(ケツメイシ)/高木完/内田春菊/JAGUAR/カーツさとう/清水ミチコ/ATSUSHI(ニューロティカ)/スチャダラパー/はな/リリー・フランキー/南伸坊/泉晴紀/山口隆(サンボマスター)/井筒和幸/久本雅美/吉田豪

正直おれはMJ世代のサブカル育ちではないので、この面子のどこまでがどのようなサブカルなのかわからない。「BUBKA」は「GON!」の後追いだ、くらいの意識だ。なんで西城秀樹が入ってるんだ、くらいの話だ。

とはいえ、それぞれの対談にそれぞれの人生が乗っかっていて、いろいろと得るものがあった。乾いた砂に水を注ぐがごとく、おれに仏心というものが染み渡るのを感じた。いや、それは言い過ぎかもしれない。

山田五郎との対談。

山田 みうらさんの言うところの「怖いに勝つには気持ち悪い」しかない」ってやつでしょ? 体育会系もさ、動物だから分かるんだよ。こいつに言っても無駄だ、ってことが。

スクールカースト。体育会系の強いやつ、文化系の弱いやつ。でも、その埒外にある「気持ち悪いやつ」。言い方を変えれば「ぁゃιぃゃっ」。これぞ弱肉強食から抜け出す技法といえよう。

田口トモロヲとの対談

みうら やるなあ。その電気釜は当然自前でしょ?

トモロヲ ベーシストが持ってきたんだよね。

これはなんとなく知っていたエピソードだが、ベーシストの彼女の借り物だったという。なんの話だか、おれは上品なのでつまびらかにしないが、これでベーシストはバンドを脱退したという。くそどうでもいい知識を得た。

安齋肇との対談

みうら 安齋さん、この壁の色言ってみてよ。

安齋 えーと……Y80にシアン62。Mがねえ、30かもしくは40入れてもいいなあ。

みうら さすが!

安齋 それにね……。

みうら 特色も入れるの?(笑)

安齋 特色? 違う違う。それに黒をちょっと入れたらいいです。黒、15くらい。

これについてはどうだろうか。パソコンでやってるから、そういう能力が退化しているという話だが、普通にCMYKで設定するぞ。むしろ、DICのナンバーや日塗工の色指定に困ったりとか、まあ関係ないか。

久住昌之との対談

みうら この人、何年か前、取材で『笑点』を見に後楽園ホールに行った時、オープニングでたまたま(三遊亭)円楽の隣だったんだよ!

これはすごい。もちろん、円楽は今の円楽ではないし、おれは『笑点』を見ないので、今の円楽が同じことをしているかは知らない。

さらに久住昌之との対談。

久住 前から言ってるけど、「さん」が付けられちゃうと、いい人と認められれるけどモテなくなるじゃん。タモリが「タモさん」とかになってくじゃん? でも「ボブさん」にはならないよね。一生「ボブ・ディラン」って言われるよね。否はひとっつも食らわないようにして、さんになっちゃうのはツマンナイよね。

この対談時には知る由もないだろうが、ノーベル賞の報道のとき、メディアは「ボブ・ディランさん」としたのかどうか。いや、ボブさんにはならなかったのだろう、たぶん。そしてまた、スポーツ選手などが引退すると「さん」付けになるルールなどに思いを馳せるのである。やはり現役が「モテ」なのか?

高木完との対談

高木 だから最近思うんすよ。ブログとかそういうものが500人他方でもあり得てきている世の中なんすよ。そういう意味では面白いかなって思ってきてるんですけど。今までだったら「マスか、それ以外はアンダーグラウンド」だったのが、意外と自分だけの切り口だけで成立するように出来てきてる。

みうら もの凄いアクセス数の奴からダメな奴までのグラデーションがあって。で、グラデーションって落ち込まなように出来てるから楽なんだと思うんだけど、一人でやってると落ち込むこと多いじゃない? 比較が出来ない分、自分の中で落ち込むことがあって。自分の中で落ちこむって、人と比較しなくて落ち込むから相当キツイじゃないですか? やっぱり辛いことした方が断然いいよね。断然面白い。

このあたり、十年くらい前の本なのでブログというものも変わってきているかもしれないし、いまいちグラデーションと一人のあたりとかわかりかねる。たとえば、アクセス数で人との比較がはっきり出て、それを勝負としたほうが楽だということだろうか。そういう意味で、おれは「一人でやってる」つもりではあるが、さてどうやら。

カーツ佐藤との対談。

みうら ……昔BSで『カーツさとうの世界』っていう番組を企画したんだけど、お蔵入りになっちゃって放送しなかった(笑)。下品過ぎてね。カーツはセットの後ろで段ボールの中に入って首だけ出して、真面目な女の人がカーツの「チ○ポ文体」を読むっていうのをやったよね。「なんとかなんとかチ○ポ」っって言ってるんだけど、ハッキリ言ってセクハラでさ(笑)。で、カーツが後ろあら「俺の文章をバカにすんのか! もっと真面目に読め!!」って怒ってた。お蔵入りになったのは残念だった。

え、あれ、おれ、これテレビで見たような気がするんだけど。模造記憶かな? いや、真面目に調べる気ねえけど、なんか放送されてなかった? 気のせい? いや、どうでもいいんだけど。うーん。

 

以上。

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