Date of Birth『FOLK SONGS』を聴く

 

FOLK SONGS

FOLK SONGS

 

 


デイト・オブ・バース - 愛だろう

 

おれとDate of Birth。中学生のころだったろうか、父親から学校帰りにCDを買ってくるよう依頼された。なんでも、アルバムのジャケットが横尾忠則だという。それだけの理由だったように思う。なにせ、それ以来、父がデイト・オブ・バースを聴くことはなく、もっぱらおれの部屋のおれのCDプレイヤーから流れ続けたからだ。

いったい、どれほどの人がデイト・オブ・バースを知っているのか、おれにはよくわからない。覚えているのか、よくわからない。その当時、流行っていたのか、よくわからない。それでも、デイト・オブ・バースの『デイト・オブ・バース』というアルバムは傑作だったし、今でも傑作だと思う。今でも古さを感じたりしないと思う。

 

デイト・オブ・バース

デイト・オブ・バース

 

して、その当時、まだAmazonなんてものはなくて、なかなかにデイト・オブ・バースのCDを求めるのも難しかった。『デイト・オブ・バース』の前作である『After the Happy』を買った。しばらくして次作の『BLESS YOU ALL THE TIME』を買った。どちらもすばらしかった。しばらくしてベスト盤を買った。それからまたしばらくたってdob名義のアルバムを買った。

して、おれはこの『FOLK SONGS』を見逃していた。dobで思いっきりテクノよりに振れていたところで、フォークソングをやっていた。知らなかった。もちろん、一筋縄じゃいかないけど、フォークソング、なのだった。デイト・オブ・バースといえば「1969」という名曲があるけれど、サイケデリックより一歩昔に戻ったというのか、これはこれでかっこいいな、という。

おれはデイト・オブ・バースの振れ幅のようなものが好きだった。いや、好きだ。曲ごとの、あるいは曲の中での。どうジャンル分けしていいかわからない。でも、一貫してデイト・オブ・バースはデイト・オブ・バースであって、dobだろうとなんだろうとかっこいいのだ。かっこいい、くらいしか言葉が出てこないな。ともかく、なんらかのセンスの良さというか、最良のセンスがあるのだ。おれはそう思うのだ。人の音楽趣味は14歳くらいで決まるとかいう話だが、それで結構。おれはデイト・オブ・バースが好きなのだ。今も、昔も。