春はなんだか辛いんだが

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おれは春が苦手なので、毎年のように「春は嫌いだ、春が憎い、春は不安になる、春は心がこぼれおちそうになる」とか書いている。当然、今年もそうだ、といいたいところだが、今年はちょっと違うんだ。

それはなにかっていうと、あんまり暖かくなってこないんだ。もう四月も半ばをすぎて数日経つ。花冷えというには長く、暖かさが底にある寒さではなく、底の方から寒いんだ。おれはまだ下着の上下は長袖ヒートテックだ。

それでも寒い。今年のおれがちょっと違うのか、今年の地球がちょっと違うのか。おれはおれに聞けないし、地球と話すこともできない。どうにも困った。

とはいえ、元気いっぱいかというと、これがまったく逆であって、やけに疲れて、うんざりして、鈍い頭もさらに冴えない。夜、酒を飲んで飯を食うと強烈な眠気に襲われてしまう。それで一時間から二時間、三時間と寝てしまい、テレビはわけのわからない番組を映していて、おれはなにかぼんやりしている。ぼんやりしているが、今まで寝ていたのだからすぐに眠れるわけもなく、また眠りたくもなく、録画したアニメなどぼんやり観る。就寝時間も遅くなる。

朝も最悪。いつだって最悪だ。最悪の気分。本を読もうにも文字が入って来ないし、文字をブログに打ち込もうという気もおこらない。職場の足元にはまだ小さなヒーター稼働中。おっぱい触っていい?

なにかパーッとすることはないのか。おれの人生でパーッとしたことはあったのか。なにをすればパーッとなるのか。パーッとしたらそれでいいのか。パーッとしたらそのあと反動はないのか。おれにはよくわからない。いずれにせよパーッとするには金がいるだろう。おれには金がない。

いや、高知の役人のように、素っ裸でゴミ出しに行くとか、そういう解放のしかたもあるかもしれない。服を買いに行く服がなければ、着なければいいじゃん。素っ裸で捕まり死刑もないだろう。いや、殺してくれたってかまわない。考えもまとまらない。薄らぼんやりと春は過ぎていく、一生が過ぎていく。なにも残すこともなく、おれはたぶん自分で自分に幕を下ろす。そんな話だ。