映画『未来を花束にして』をみる

未来を花束にして(字幕版)

英国における女性参政権運動を扱った映画である。クライマックスシーンに競馬場が出てくる。それもエプソム・ダービー、すなわち英国ダービーだ、ザ・ダービーだ。ブックメーカーが黒板に6倍でAnmerと書いている。Anmerはキングジョージ五世の馬だ。だが、Anmerは勝てなかった。勝てなかった理由は映画を見ていただきたい。勝ったのはAboyeurという馬だ。この馬名もちらりと映ったと思うので確認してほしい。それにしても、当時のダービーというのは、こんなに狭い走路でやっていたのか、観客との近さでやっていたのかと思わざるをえない。草競馬(=地方競馬ですらなく、日本各地の伝統行事として行われている競馬)のようだ。とはいえ、当時の動画、写真も残っているのだからリアルだ。いずれにせよ、今の競馬の血統欄にAnmerの名もAboyeurの名も見ることはない。たどれば出てくるのかもしれないが、競馬としては時間が経ちすぎている。かといって、民主主義国家が女性参政権というものを確立させたのは、そんなに昔の話でもないのだぜ、と急に映画の話に戻って終わる。