女王蜂を聴き始める

アニメ『東京喰種』シリーズのエンディングテーマはいつもすばらしい。People In The Boxの「聖者たち」。amazarashiの「季節は次々死んでいく」。どちらもまったく知らなかったバンドだ。前者の方は当該曲以外いまいち合わなかったが、amazarashiはおおよその曲を入手した。

して、今放送されているシリーズ最新作のエンディングテーマが女王蜂の「HALF」である。

 


女王蜂 『HALF』Official MV

 

HALF(通常盤)

HALF(通常盤)

 
HALF

HALF

 

 

おれはすっかり気に入ってしまった。ちなみにおれは女王蜂をしらない。なにやら『モテキ』あたりで一度ブレイクしたあと小休止して復活したらしいが、おれは『モテキ』を知らない。女王蜂もしらない。

というわけで、とりあえず昨年発表されたアルバム『Q』とともに、いくらかネットで記事を探したりしたのだ。

realsound.jp

www.cinra.net

Perfumeにあこがれて、となると「踊るの大好き」なわけだ。そうか、一気にブレイクして一旦止めて、再始動したのか。その再始動が『Q』なのか。

 

Q

Q

 
Q

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で、この『Q』だが、一曲目の 「アウトロダクション」からしていい。なんかこう、見た目というか、雰囲気とは違う、正統派といっては変だが、ロックンロールだ、という感じがする。疾走感のある、いい曲だ。そして、ダンスインザダークな「金星」は音が愉快で踊れ踊れで、次の曲がその名も「DANCE DANCE DANCE」、それが暗転して「Q」……。

女王蜂『Q』 ジェンダーレスでボーダレスな存在がまたひとつ超えたタブー、〈最高傑作〉と言い切る新作に込めた決意 | Mikiki

「今日の私の見解ね。〈Q〉と言う子がいて、冒頭の“アウトロダクション”で団地から出て上京。で、“金星”“DANCE DANCE DANCE”で恋したり、街を歩いて阿修羅になったり、禁断の恋をして“失楽園”に行ったり。“雛市”で、みんなが言うところの〈身体の仕事〉に就くのは生きていくには戦うしかないから。そして病院のベッドで天井を見上げて、安らかに眠るのが“つづら折り”なのかな」

という。根っこに強いものがあって、かといっていろいろのタイプの曲が出てくる。おれはそういうバンドが好きだ。上にリンクを貼ったReal Soundの柴那典さんの語るところに、くるりの名前が出てきた。

今回の『Q』は、ディスコティックなものとフォークなもののふたつの層のあるアルバムですけど、初期の頃と今この音楽性があれば、これから先何をやっても許されるというか。例えばくるりもそういうバンドで、『さよならストレンジャー』から『THE WORLD IS MINE』にかけて4枚アルバム出したあたりで、次に何が来ても驚かれないバンドになったんですよ。女王蜂も今回のアルバムを経て、好きなことができるチケットを手に入れたんじゃないかなと思う。

それはいいことだ。というか、ゆらゆら帝国坂本慎太郎が「ヤバイ」とか言ってたのか。そして石野卓球再生工場(?)を経ていたりとか、なんか好きなものはどこかでつながっているという感じがする。悪くない。

というわけで、おれはこれからさかのぼって初期の、想像だけれど初期衝動全開の女王蜂に手を伸ばすだろう。だが、いましばらくはすばらしい「HALF」と『Q』を聴いていたいと思うのだ。