やっぱり石黒正数は面白え! 『木曜日のフルット』7巻、『天国大魔境』1巻

 

おれは常々、世界三大石黒がいるといっている。カズオ・イシグロ石黒浩、そして石黒正数である。

いまさら『木曜日のフルット』の面白さ、可愛さ、巧みさを語れというのか。それはもう必要ないだろう。ネコ好きを自認するのであれば、とりあえず『木曜日のフルット』は読まなければならない。それだけである。

というわけで、『天国大魔境』の話をする。おれは金がないので漫画雑誌というものを買わぬ。ゆえに、石黒正数のこの連載のこともしらなかった(世界三大とか言っておきながら)。とはいえ、まっさらな状態で新しい漫画に立ち向かう。悪くない。

悪くない、どころじゃあない。『天国大魔境』、面白い。『それ街』などでチラチラと見せていたSF要素、バイオレンス要素、そしてちょっとエッチ要素を、巧みなストーリーテリングにブチ込んできたじゃないの。舞台はポスト・アポカリプスというべき日本、一方で壁に囲まれた人工的な理想郷があり、壁の外には別の世界が……。設定としてはそれほど目新しいものじゃない。でも、これを石黒正数が描くと、面白えんだなぁ。面白い。まだ1巻だけど断言しちゃう、面白い。早く続きを読ませろといいたい。いまのところ、そればかりである。ちなみに、内容についてあまり触れないのは、おれが内容に触れることによって新たなる読者の興味を削ぐことになってはならないということであり、もう一つはすぐに女に貸してしまったために、今この瞬間手元にない、ということによる。以上。

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