「くるりワンマンライブ2018」@中野サンプラザ 10/8のこと

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この週末、おれは熱を出していた。だが、三連休の三日目は家で寝ているというわけにはいかなかった。くるりのライブに行くからだ。開場17:30。昼過ぎまで寝ているべきだろうか? しかし、そこから起き上がる体力は? などと思った結果、女に「中野で遅めのランチでも食べて、中野ブロードウェイでもぶらついてからライブ行きましょう。体調が悪かったら朝連絡します」とした。結果、おれは朝起きることができた。無理やり買っておいた惣菜パンを三つ飲んだ。チオビタドリンク(さすがくるりファン)と風邪薬を飲んだ。シャワーを浴びた。さて、そこで問題が起きた。暑いのか寒いのかさっぱりわからんのだ。携帯端末で天気を調べると、昨日、一昨日とは違って涼しくなるという。なのに、汗がなかなか引かない。何を着ていくべきなのだろうか。とりあえず、今は暑い。寒くなったら上から着ればいい。ということで、くるりのTシャツ(さすがくるりファン)に薄手の長袖シャツ、バッグにジャージ地のジャケットを詰め込んでアパートを出た。駅まで歩いて暑かった。横浜駅で女と待ち合わせた。新宿まで出て、中央線に乗り換えて中野に到着。

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とりあえず、中野サンプラザを拝む。よく知らないが、なくなるというではないか。といったところで、おれは中野サンプラザを訪れるのは初めてだった。女は何十年も前に中野サンプラザの地下一階で友達とふざけていたら壁と配線を破壊してしまい、警備員を呼ばれた思い出があるという。どういうふざけかただ(※訂正。サンプラザではなくブロードウェイの地下でした)。

まあとりあえず、ランチ。で、ちょっとおもしろそうな店など調べていたのだが、おれは体調不良もあって、まったく食欲がない。むしろ、何も食べたくないというレベル。そこで、とりあえずブロードウェイをぶらぶら。もう、このときにはジャケットを着ていたような気がする。しかし、なんだかんだでなにか食べようということになり、うどんを食べた。うどんなら食べることができた。うどんは優しい。

それでもまだ時間があった。と、女が「バッグが壊れた」という。ファスナーを飼いうさぎに齧られて半壊していたのが、完全に外れてしまったという。中野ブロードウェイで買いましょう、ということに。

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中野ブロードウェイのバッグ店、婦人雑貨店などを見る。あまりいいのがないらしい。一つ、ちょっといいのを店員のおじいさんから勧められたが、突発的な買い物としてはやや予算オーバー。「ちょっとほかを見てきます」と店を出る。して、おれの目に入ってきたのはミリタリーグッズ店。おれは、「これだ」と思う。「ミリタリーなら丈夫で、うさぎごときにはやられません。ファスナーも大きめで丈夫。それにそんなに高くない」と押し切ってミリタリー(テイスト、だと思うが)のバッグを買わせてしまう。いや、見た目もちょっとかわいいところがあって、悪くないと本当に思ったし、よかったんじゃないのか。

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さて、再び中野サンプラザへ。物品販売をしているので見てみるが、今回は二人ともパス。しばらく表で待ったあと、待機列ができるので並ぶ。が、この日は全席指定。いそぐこともない。して、われらが席は……入ってすぐにあった。一回席の最後列。本当の最後列。後ろには誰もない(立っているスタッフはいるが)。これはもう笑ってしまった。むしろ、中途半端に後ろより気楽というもの。なにか二階席の圧迫は感じるが、まあいいじゃないか、という。席はおそらく満席。段差があるのでステージはよく見える。おれの体調が急に悪化してもすぐに出られる。

というわけで、開演。「東京開催だし、また『東京』か『東京レレレのレ』でしょうか?」、「いや、ニューアルバムが出たのだし『その線は水平線』じゃないの」などと話していると、会場のライトが落ちて、ジャーンと音がなってすぐに止まる。観客の誰かが「えー!」と言って笑いが起きる。

その後、メンバー登場。なにやら大人数だ。そういや、今日のテーマもわからないし、メンバー構成もわからなかった。実に、総勢十二名。ボーカル&ギター、ギター、ギター、ベース、トランペット、ドラム、キーボード、管楽器、管楽器、弦楽器、弦楽器、マニピュレーター。そして、一曲目は「その線は水平線」、続いて「landslide」……と、アルバム『SONGLINE』通りに進む。三曲目のあとに岸田が「ここまではアルバム通りですが、このあとはどうなるでしょうか」などという。結論を言ってしまおうか、一気に『SONGLINE』通りに演りきった。

「おお、これが、えーと、アルバム通りのライブというものか!」と思う。で、演りきったあと、「これからは地味な曲」というようなことを言う。『坩堝の電圧』から演るという。「メンバーがいなくなったりしたアルバムだけれど、無かったことになっているわけではない」などという。「だれも曲名しらんやろ」などと言いながら始めたのが「falling」。たしかに曲名浮かびませんでした。岸田曰く「完全に忘れてた」、「好きな曲」。でも、「taurus」はすぐにわかった。おれの好きな曲だ。おれにはおれを不思議な気分にさせてくれる曲というのがあって、「taurus」の繰り返されるメロディはそれにあたる。最高じゃないか。そして、「chili pepper japones」なんかもやったりして、『坩堝』からは三曲。おれはけっこう『坩堝の電圧』が好きで、ライブ行くごとに「今日も『坩堝』なかったね」ということが多かったのでうれしいかぎり。今後も演ってほしい。ほか、ライブ定番の「虹」(おれのなかでの曲名は「六地蔵」)に「ブレーメン」。まあ、この編成で「ブレーメン」なしということはないだろう(たまには『ワルツを踊れ』から別の曲も聴いてみたいが。でも、女が「ブレーメン」大好きなのでいいです)。あとは「Liberty & Gravity」がゴージャスでよかったかな。あ、まともなセトリじゃなくてすみません。まあ、ネットで探せばどっかにあるだろう。

そして、アンコール……は何を演ったのだっけ。でも、ラストは「ロックンロール」。これには観客総立ち。って、今まで座っていたのかというと、そうであって、おれは正直こういうホールで立つのか座るのかどうするのかわからなかったのだが、おとなしいことで有名な(?)くるりファンはみんな座って聴いていたのである。小学生らしき子供を連れた人などもいたので、それでいいと思う。とはいえ、最初の曲あたりで最前列の人らが立ったら、ドミノ倒しのように(立つのだが)オールスタンディングになったのではないか、などとも思う。とはいえ、おれ自身についていえば、少し寒気がしていて、それこそココアでも飲みながら聴いていたかったというのもあり、この展開はありがたかった。もっとも、女も会場が寒かった(室温的に、ね)というので、中野サンプラザの人、明日は空調頑張ってください。

でもって、新曲披露とかはなかったのだけれど、満足のライブ。個人的な、あくまで音楽知らずのおれの印象だけれど、岸田繁のボーカルがやけによう響いて、今までのライブではここまで歌が伸び伸びとしていることはなかったかな、などと思った。

ちょっと長くなるが、『ソングライン』のインタビューから引用。

natalie.mu

佐藤 わりとデモの段階のテイクを使ってるのが多いからだと思います。本チャンで気合いが入ってるテイクより、デモの素朴な歌のほうがいいってなったものもありましたね。本人を横にして言うのもあれなんですけど、年齢のせいかたっぷり歌うようになってきたんです。「もうちょっとサクっと歌ったら、曲と合うと思うねんけど」って言っても本人はたっぷりと……。

岸田 わざとそうやって歌ってるんだよ……。

佐藤 いやいや、あとで聞いたら「あ、なんかこれクサいわー」って自分で言うたりするんですよ(笑)。そういうのもあって、デモの段階のものを使ったりしてます。それを聴きながら自分らもレコーディングしてるので、より演奏に合ったりしてるのかもしれない。

岸田 もともと僕は歌に興味がなくて、上手なほうじゃないんで、昔はあまり歌いたい気持ちもなかったんです。叫んでるもの以外はずっと直線的な棒歌いやったんですよ。それがアルバム5枚目か6枚目くらいから、語尾に小さーいビブラートが付き始めて。最近はけっこうビブラートかかってるんです。これどんどん年齢と共にかかってくるなっていうのは痛感してるんですよね。

ファンファン なんか、最近歌うの楽しそうですよね。

岸田 楽しくなりましたよ(笑)。だいぶ、去年も布施明さんからインスピレーションを受けましたからね。昔に比べて、楽しく歌ってます。

 「クサイわー」とまでは思わんが、なんか今までと歌が違うな、なんて思ったのは確かで。自分のほかに活きのいいギター二人なんて布陣だから、歌に集中できたのかな、とか思ったりもするが(などというのはロックンローラーに対して失礼か?)。ともかく、布施明さんの影響かなにかわからんが、まあともかく、楽しいならいいじゃないか。なんなら、次のアルバムは「岸田繁歌謡ショー」みたいになってても、それはそれでいいんじゃないか。交響曲に行ったっていいし、まあ、その自由さがくるりで、そこが飽きないのだ。くるりの「glory days」は終わらないのだ。それでいい。

あと、どうでもいいけど、カープの話になったとき、カープファンに挙手させたけど、ほとんどいなかったなー。おれはもちろん手を挙げました、最後列で。

 

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