さて、帰るか(猫の散歩について)

anond.hatelabo.jpこのエントリーを読んで、おれはハッとした。

おれはすっかり先代のミーのことを忘れていた、と。

goldhead.hatenablog.comこの「ミー」は二代目なのである。

先代が、いた。

先代といっても、この「ミー」の親というわけではない。

ただ、見た目はそっくりだ。

もとは、野良猫だった。

どんなふうにして我が家に入り込んできたのかよく覚えていない。庭から窓に向かってチョンと座って見上げていた、そんなポーズを覚えている。父かだれかが、なにか餌をやったのかもしれない。何度もやってくるようになったのだろう。そして、いつの間にか部屋に上げることになった。ソファでくつろいだり、だれかの寝床に入ったりもしたろう。

そのために、われわれはノミに悩まされた。おれの持っている唯一の特技は、ノミを捕まえて両手の親指の爪で挟んでつぶすことだ。そうだ、先代のミーがノミを持ち込んだのだった。

というわけで、先代のミーは家を出たり入ったりしていた。半野良とでもいうべきだろうか、外猫というべきだろうか。ともかく、ふらりと現れては、庭から「ミャー、ミャー」いって部屋に入れろという。外に出たくなったら、また窓の近くに行って「ミャー、ミャー」いう。

前置きが長くなった。猫の散歩の話だ。

ある日、たぶんおれは学校帰り、家の近く。路地をミーが歩いていた。すると、そこに猫と猫を散歩させている人が通りかかった。猫にリードをつけて散歩しているのだった。

すると、ミーはスタスタとその猫させられている猫の近くに寄っていった。寄っていって、何をしたか。ゴロンと転がってみせたのだ。

それが、猫的にどういうジェスチャーかわからない。だが、おれの目には「なに、紐につながれてるんだ?」といって、からかっているように見えたのだった。

先代ミーは、その後どうなったか。あるときから、だんだん我が家を訪れる回数が減り、まったく来なくなった。行方知らずになってしまった。津西の野良猫の縄張り争いに負けてどこかに去っていったのかもしれない。あるいは、あてのない旅に出たのかもしれない。

猫にリード。

二代目のミーとピーが来てから、父が猫用のリードを買ってきたことがあった。二匹は家猫だった(とはいえ、たまに逃げ出したが)。庭だか近所だかを散歩させようと思ったのだろう。

だが、二代目のミーもピーも、リードを装着すると「へにゃっ」となってしまうのだ。「力が入りません」というふうにへたりこんでしまう。部屋の中すら歩けない。くすぐったいのか、なんなのか、どこか猫の歩けなくするつぼを突いているかのようだった。結局、そのリードを使って猫を散歩させることはなかった。

まあ、それだけの話。

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↑この猫の表情、なんかいいな。納得していない感じがする。