サニーデイ・サービス、そして曽我部恵一を聴き始める


曽我部恵一 - なんだっけ?(映画「止められるか、俺たちを」主題歌)【Official Video】

映画『止められるか、俺たちを』。これの音楽を、エンディングテーマを手がけたのが曽我部恵一である。おれはエンディングテーマがあまりによかったので、映画のサントラも買った。iTunesかなにかで買った。

 

「止められるか、俺たちを」オリジナル・サウンド・トラック [ROSE-229]

「止められるか、俺たちを」オリジナル・サウンド・トラック [ROSE-229]

 

……いい。そして、おれは「なんだっけ?」を聴くたびに涙ぐむことになる。

曽我部恵一、そしてサニーデイ・サービス。聴いてみようか、と思った。2018年の秋の日に、そう思った。そう思ったのは図書館の帰りだった。ブックオフに行けば売っているのではないか? と思った。おれは寄り道をした。「中古品なんて!」と罵りたければ罵ればいい。中古市場あっての新作市場という考え方もあるだろう……と、現状のCDという商品について言えるかどうかしらないが。つーか、おれは貧乏なんだよ。金があれば図書館も行かねえよ。欲しい本は全部買う。

閑話休題

しかし、何年かは知らないが、キャリアのあるアーティストである。いったい、なにから買えばいいのか。一番古いものから聴くべきか、新しいものから聴くべきか、それともベスト盤から聴くべきか。よくわからない。

よくわからないで、棚の前に立った。思えば、新品、中古を問わずCDショップの棚の前に立つのは久しぶりだ。このごろのおれといえば、レンタルもしくは買い切りの配信、これによって音楽を買っている。CDの背は……狭く、文字も小さく、目当てのものを探すのも一苦労だ。ジャケ買いするにしても、引っ張り出すのが大変だ。そんなことを思った。

まあ今日は目当てがある、と思い、「さ」を探る。あった。サニーデイ・サービスの『サニーデイ・サービス』。バンド名がアルバム・タイトル。古いものか、新しいものか、ベスト盤か。いや、バンド名をタイトルにつけているのだから、少なくともこれがその時点で本人たちが代表作になってもいいと考えていたのかもしれない。おれはこれを手にした。

そして、曽我部恵一の作品はないかと「そ」を見る。あった。曽我部恵一の『曽我部恵一』。個人名がアルバム・タイトル。古いものか、新しいものか、ベスト盤か。いや、個人名をタイトルにつけているのだから、少なくともこれがその時点で本人が代表作になってもいいと考えていたのかもしれない。おれはこれも手にした。

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そして、おれはサニーデイ・サービスを、曽我部恵一を聴き始めたのだった。歌詞カードや、Wikipediaを見ながら。

 

サニーデイ・サービス

サニーデイ・サービス

 

して、まずは『サニーデイ・サービス』である。全般的に言えるのは、歌詞がいい。例えば、おれの好きなアーティストにくるりがいるけれども、岸田繁の書くそれともちょっと違う。日本語ロックの、こういう感じ。どういう感じ? と言われるとわからないけど、うーん、いいよな、という。たとえば、はっぴぃえんどとか、そのあたりの系譜なのだろうか。よく知らないし、曖昧で悪い。

じゃあ、具体的にどの曲が好きなの? というと「枯れ葉」がいい。まずこれだ。これまたおれにしかわからないおれの心の動きということになるのだけれども、なにかドキドキ、ソワソワさせてくれるメロディなのだ。歌詞もすてきだし、楽器の感じとかな、いいよな(音楽用語知らず)。

次は(というか、曲順的にも次だが)、「虹の午後に」ということになる。都市と生活は、というところはたまらない。「星を見たかい?」の悲しい調べのところ出だしもいい。そしてなんといっても「そして風は吹く」だな。この曲の始まり方のワクワク、ドキドキ感はたまらん。そうよな、美しい夕暮れの空を撮ろうと思ってカメラを取りに行ってると、もう、台無しになってるとかな。そういうな。

 

曽我部恵一

曽我部恵一

 

で、こちらは『曽我部恵一』。まだ『サニーデイ・サービス』ほど聴いていないのだけれど。でもなんだろうか、やはりおれにはバンドであるサニーデイ・サービスと、ソロ名義のこの差というものがぱっきりとわからない(三枚アルバムちょっと聴いただけでわかるわけもないのだろうけど)。

そんななかで印象に残ったのは「テレフォン・ラブ」だろうか。なんかこう、ちょっとなんか、照れてしまうような歌詞だ。でも、なんか、リンリン言っちゃうような、な。あとは「真昼のできごと」とかな、なんかこう、フォークなのかね、ようわからんが、好きだな。戦争にはちょっと反対さ。

……というわけで、おそらくはリアルタイムで好きになっていた可能性もあるサニーデイ・サービス、あるいは曽我部恵一を二十年遅れくらいで聴き始めた。まあ、メジャー・デビュー直後くらいから聴き始めてファンになったアーティストの方が少ないか。くるりだって、ワールズエンド・スーパーノヴァあたりからだ。最初から聴いていたのはというと、SuedeBeckbjorkチャットモンチーnever young beachくらいなものだろう。

まあともかく、サニーデイ・サービス、そして曽我部恵一が積み重ねてきたものに踏み入ろう。なにせ、おれが涙する「なんだっけ?」の要素は、この二作にもたくさんあった。おれは二十年遅れくらいでサニーデイ・サービス曽我部恵一のファンになるのだろう。そう思っている。次に行くべきは一番古いものか、新しいものか、それともベスト盤なのか?

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