クレジットカードの不正利用を楽天カードマンが助けてくれたよ

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午後六時くらいだった。あとはデータを送信して一区切り、というところで机に放り出してあったiPhone XSが鳴った。おれは仕事にもこの携帯端末を使っていないし、プライベートで電話をかけてくるような人間もほぼいない。取り上げて画面を見ると、九州の市外局番と表示されている。間違い電話かな? と思った。

「はい」

「(黄金頭)さまのお電話で間違いないでしょうか?」

「はい」

「こちら、(楽天カードマン)ですが、本日の午後五時ごろに、アメリカからクレジットカード番号登録の申請がありましたが、お心あたりございますでしょうか?」

「ご、午後五時? 一時間くらい前、ですか? アメリカ? ……ない、ない、ないです」

……。

………おれが仕事中にクレジットカードを使って通販かなにかをすることがあるか? ないとは言えない。おれがアメリカや香港やイギリスのサイトからクレジットカードで買い物をすることがあるか? ないとは言えない。だが、しかし、本日午後五時には、ない。実のところ、おれは健忘症とまでは言えないまでも、直近の事柄から少し前の事柄、そしてだいぶ前の事柄について記憶がないことが多く、少し戸惑ったのは確かだ。だが、やはり身に覚えがない。

正直、おれは動転した。これは、クレジットカードの不正利用というやつではないか。そして、(楽天カードマン)はおれのメーンのカードのマンじゃないか。世界がぐにゃっとした感じになった。

電話が詐欺、の可能性は? 電話番号は知られている。まず名指しで来た。おれはそのカードを持っている。使っている。本人確認が始まる。おれの住所を知っている、最後に利用したAmazonでの買い物を知っている。まあ、間違いなく電話の向こうは(楽天カードマン)だ。

「それでは、このカードは利用停止とします。後日、新しい番号のカードをお送りします」

「ええ、それはその、引き落としとか、そういうのに使ってるんですが、変更が必要ということですか?」

「はい」

聞くまでもないことを聞いてしまった。有効期限が切れるだけでも再登録が必要だ。と言うか、再度書くがおれのメーンのカードだ。おれはクレジット払いのほぼすべてを楽天ポイントに集めている。め、めんどうくさい! そして、なにより、不正利用の標的に、おれが、おれのクレジットカードが、という衝撃。衝撃ゆえに、うえのやり取りも正確性を欠いている可能性がある。(楽天カードマン)はたしか、買い物などの不正利用があったとは言っていなかった。なにか登録だかの情報が送られてきた、というようなことだった。そのあたり、よくわからない。が、なにかしら、引っかかるところがあったのだろう。

と、おれは思い出す。おれが仕事中、急に「いつもWikipediaにはお世話になってるな」と思いたち、ウィキメディア財団にクレジットカードでいくらか寄付をしたことがあった。しばらくすると、クレジットカード会社から電話がかかってきた。「今、日頃見られない利用があったが、身に覚えはあるか?」と。それが(楽天カードマン)だったかどうかは覚えていない。ただ、クレジットカード会社というのは、そういう不正な利用について、たとえ少額であれ目を光らせている(もちろん機械だろうけど)のだな、と、そう思った。

おそらくは、今回もそのパターン。「こいつ、いつも日本に居て、ほぼほぼ日本の支払いしかしてないのに、アメリカ?」みたいな、なにかそういうところに引っかかったのだろう。あるいは、そのサイト自体がなにかしら怪しいものだったのかもしれない。

いずれにせよ、(楽天カードマン)は未然に不正利用を防いでくれたことになる。(楽天カードマン)は、カードを利用すると、とりあえず金額だけの速報メール、そして、しばらくすると店名表記の利用メールを送ってくれるし(ほかのクレジットカード会社でもやっていることだろうが)、今回のことだって利用されたあとではなく、利用される前に確認してきてくれたことになる。わりと頼りになると言っていいのではないか。

そして、いろいろ動転しつつ、おれは親切な(楽天カードマン)にこんなことを聞いた。

「やっぱり、あの、例のPayPayのやつなんかと、関係、あるんですかね?」

「いや、アメリカの……」

まあ、そんなのはカード会社にはわからんか。というか、決済まで行ってないし、そもそもPayPayのはもう終わってるし。終わってるけど、なんや、なんかそれで日本のクレジットカードが狙われてるとかあるんやろか。わからん。わからんが……おっかない。

そう、おっかないと思った。クレジットカード、ネットで使う分にはただただ数字といくらかのアルファベットの文字データに過ぎない。セキュリティコード含めて、それにすぎない。それで、クレジット。便利だが、危険は少なくないのだ。使っていないクレジットカードなど、とっとと解約してしまったほうがいいに違いない。入会費、年会費無料で、セルフバックの金目当てで作ったやつなど……。

とはいえ、解約より先に、情報更新だ。おれはライフラインの支払いを集約させていたので、全部更新しなくてはならない。電気、ガス、水道、インターネット・携帯端末回線。いったん、べつのカードに登録して、新しい(楽天カードマン)のカードが届いたら、それに戻す。

まず、インターネット・携帯端末回線。おれは自宅のネット回線と携帯端末についてBIGLOBEを使用している。合わせて使うことで、MVNOもさらにお得になる。これについては、さすがにネットの会社だけあって、「マイページ」→「お支払い方法」から簡単に変えられた。

次は……電気。東京電力。これは、「でんき家計簿」というサービスに登録をしており、そこからログインして「各種お手続き」から更新できた。

ここまでは会社からやった。だが、ガスと水道ができない。お客様番号というのが必要だ。手元にはない。両方ともお客様番号は毎月だかの「使用量のお知らせ」に書かれている。会社にはない。といって、アパートに帰ってあるのかどうか? しばらく前ならば、そこらにあった。しかし、ある時、「これはゴミだ」と気づき、ちらっと使用額を見たら、すぐに手動シュレッダーにかけて捨ててしまう習慣をつけてしまっていたのである。

帰宅後、すぐに部屋を漁った。ガスについては、平成二十六年三月のものがどこかから出てきた。水道が見当たらない。結局、アパートの賃貸契約などが押し込まれているファイル群のなかから、「使用される場合にはまず」という最初の最初の契約前の書類が出てきて、そこにお客様番号、区、管区、栓番号が載っていた。両方とも使えた。

が、ガス、東京ガスはすんなり変更できたが、問題は横浜市水道局だ。いつの間にかWEB会員サイトなるものができていて、そこからカード払いの登録ができるという。とりあえず会員に申し込む。確認メールが来る。こんなことが書いてある。

なお、確認の手続きには、7日程度かかりますので、予めご了承下さい。

えー、その間に支払いの日が来たらどうなっちゃうの? おれのクレヒスに傷がつくの……? いや、クレジットカード自体がもう無効になってるから、クレジットカードとは関係ないか。おれと水道局の間にヒビが入るということか。水は最後に止められるというし、もしも決済できなかったら、コンビニで支払える用紙などが送られてくるだけのことだろう。

あとはなんだ、Amazonはじめ、通販サイトとかか? まあ、それは都度だし。となると、あれ、思ったより継続利用少ないな。電気、ガス、水道、通信費。今回のカードの利用明細見ながら……、まあそんなところだろう。

しかしまあ、おそらくはインターネットあるからこそ不正利用いうものの被害に遭いかけたわけだが、インターネットいうもののおかげで支払い方法もすぐに切り替えられた。良し悪し、なのだろうか。

しかしまあ、PayPayの件でも思ったが、クレジットカードって、きちんと明細確認しないと、あかんなあ。脆弱やなあ、と。まあ、PayPayのセキュリティコード何回でも入力可能という仕様には問題があった(修正されたらしい)が、ともかく、クレジットカードいうものよな。いずれは、個人端末での生体認識みたいなのが当たり前になってくるのかどうか。

いや、しかし、本当に、メーンで使っているカードがこういうことになって、電話の直後はガクガクして、ヘナーっとなった。とはいえ、覚えのない請求を見て気づいてカード会社に電話して「あのー、本当に、使った覚えがないのですけれど、この請求……」とかになるより、百万倍マシだったとはいえる。ここは(楽天カードマン)に感謝するべきであろう。いやはや。みなさまにおかれましてもご注意のほどを。本当に。

以上。