横浜ラーメン紀行・201 山手「介一家」

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京浜東北線山手駅の改札を出ると前方にセブン-イレブンが見える。そちらに進んだのち、右を向く。右を向くとこの世の果てまで商店街がのびている。が、世界の果てまで行く必要はない。すぐそこにラーメン屋の看板があるだろう。家系ラーメンを語る上で語られることがあるような気がする「介一家」である。

店内は「片づけな苦手おっさんがなんとか片づけている」という感じ。水はセルフ。券売機はなし。

おれは「ドラゴンラーメン、一辛、あと半ライス」と注文する。ドラゴンラーメン。辛いラーメンである。「あれ、おまえ、辛いもの食べると腹を壊すのでは?」と言う人もいるだろう。だが、大丈夫だ。おれのアパートは近い。

カウンターの中には男が二人。常連客らしき先客が、「まかないを経費で落としているのかどうか」という話を中の男としていた。

しばらくしてドラゴンラーメン到着。「一辛」らしい、ほのかな辛味。今のおれにはこのくらいがいいんだよ。念のために頼んだ半ライスとも合うのである。

食べてしばらくしていると、「どうぞ」と刻みタマネギの容器を置いてくれる。これがありがたい。ややスープあまり気味かな、というところに具材の助けである。もっとも、ラーメン屋はスープを残されるくらいならライスを無料で提供するくらいだ(残されたスープの処理費の方が高い)、という話をどこかで読んだが、真偽は知らない。

この店は他に普通の家系ラーメン、そして油そばがある。あと、張り紙でなんか黒いラーメンを宣伝していた。帰るときに気づいた。

そいうえば昔こんなこともあった。この店でラーメンを食べ終えたあと、カウンターの上に丼を戻す。そのとき、丼の上に置いた箸がバランスを崩して、カウンターの内側のなにか煮ているところに転がり落ちそうになったのだ。幸いにして落下は免れたが、時が止まったような気になったものだった。……あのころはプラスチックの箸で、今は割り箸のような気がするが、気のせいかもしれない。

 

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