六段、B級2組、21歳―『3月のライオン』15巻を読む

 

3月のライオン 15 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 15 (ヤングアニマルコミックス)

 

おれは『3月のライオン』の最新刊が出ていることに気づかなかった。気づいたので買った。15巻の主役とも言えるのが、下の自己紹介で登場する「あづにゃん」である。

俺は野火止あづさ 六段 B級2組 21歳

おれは実家があったころ、父親が宅配でとっていた将棋新聞(正式には『週刊将棋』だっけ)を読んでいたので、割と古くからの「観る将」(だっけ?)ではある。そんなおれなので、上の「六段 B2 21歳」だけで、いったんページをめくるのを止めて、いろいろ想像するわけである。21歳でその地位ならば、なかなか有望なのかもしれない。かといって、たとえば藤井聡太ほどに快進撃をしている早熟の大天才ではないのかもしれない……などと。

そして、その想像がどうであったか、答え合わせではないが、野火止あづさの人物が描かれるのである。おれの想像は少し当たっている。ともかく深くその内面が描かれ、主人公である桐山との対局シーンに夢中になる。野火止の内心の叫びには泣ける。言うまでもないが、やはりこの漫画はおもしろい! そして、後半はその野火止あづさの師匠との対局。これも味がある。大満足だ。

そして、出てくる先生(学校の)のこれである。

そのおにぎりは

絶対に手放すな

読んでない人にとってはなんのこっちゃだろうが、これがもうしびれるわけで。もう、泣き笑いが詰まってて、時間があればまた1巻から読み返してやろうかというくらい良いわけであって、もしも将棋に興味がある、少しは知ってる、あるいは全然しらん人でも『3月のライオン』読んでねえや、というのであれば、今からでもぜんぜん遅くないから読んでほしいよな。おれはそう思う。泣き笑いよ。先崎学も帰ってきたよ。ほんと、なあ。

 

3月のライオン コミック 1-14巻セット

3月のライオン コミック 1-14巻セット

  • 作者: 
  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: コミック