いまさらながら『テルマ&ルイーズ』を観る

 

テルマ&ルイーズ (字幕版)

テルマ&ルイーズ (字幕版)

  • 発売日: 2015/10/11
  • メディア: Prime Video
 

いまさらながら『テルマ&ルイーズ』を観た。

この本の影響によってである。

goldhead.hatenablog.com

この本で、『テルマ&ルイーズ』はこう紹介されている。

今さら何を説明しようかとも言いたくなるほどの知名度を誇る本作のエポックメイキング度合いは、本書に多々紹介されているように、その影響下で製作された女性ふたりの逃避行モノ作品の多さがそれを語っている。

おれはそれほどの映画を観た覚えがなかった。正確に言えば、観たことはあるかもしれないが、記憶にないというところだ。ともかく、エポックメイキング度合いが強いのなら、観ておかねばならぬと思った。

で、観た。観たところ、やっぱり観たことはなかったかな、と思った。まあ、そんなことはどうでもよろしい。なにやらタイトルからもうちょっとソフトかな? と思ったらハードだった。「百合」としてソフトだのハードだのではなく、映画としてハードだった。ハードボイルドだった。銃をぶっ放す、警察に追われる、そして……。

映像特典に「もうひとつのエンディング」というのがあった。没バージョンだ。そこには、特撮映画のように谷に落ちていく車が描写されていた。これでは乗っていた人間は必ず死ぬ。そのバージョンはボツになった。それでも『完全ガイド』によれば「本作公開後グランドキャニオンはあのあまりにも有名すぎるラストシーンに感化された自殺志願者が車ごと絶壁にダイブするスポットと化してしまった」などと書かれている。

それにしてもなんだろうか、なんか、その、百合映画というと弱々しいが、この映画は強い。強いけど、弱い。女性というものの弱さ、それは単に弱いというか、社会的に弱いというところに置かれてしまっているというところが描かれている。でも、テルマとルイーズは強い。その強さゆえ、だ。

ちなみに、ちょっとだけのことだけれど、この映画には若き日のブラッド・ピットが出ている。「あ、この大学生、こいつどっかで見た顔だな」と思ったらブラッド・ピットなのである。当時の彼はまだ駆け出しで、この映画を機に売れ始めたという。まあ、そんなところも見どころだろか。以上。