ずっと眠っていたい

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もううんざりしてしまっていて、起き上がるのにも一苦労で、シャワーを浴びながら意識を失って、シャンプーのポンプに手がとどかない、笑える。笑えない。すべての動きが遅い。なにもできない、意識が頭の少し上にあって、身体と直結していない。疲弊に疲弊が重なってこの世が重い。おれは眠っていたい、ずっと眠っていたい、永遠に眠っていたい。おれはもうちょっと歩くのもかったるくて、自転車を漕いでもまっすぐ走るのがやっとだ。不安の爪が心臓を鷲掴みにして、動悸はひどく、嫌な汗が出る。こんなので生きていてなにがあるんだ。おれはどこに立っているんだ。おれはこの世に立場なんてない。その価値がない。この辛さに意味を求めても無意味で、たんにおれは無意味に苦しめられて、苦しみだけがこの世の中の片隅にあって、救いはない。おれ一個の苦しみはおれにとっては世界全ての苦しみであって、おれの救済は世界の救済なのだけれど、世界を救うものなどありはしない。頭では、正確には頭のちょっと上あたりで、それでも身体の動かない重さは、不安は、絶えずぎりぎりとおれ的なものを苦しめているのは事実で、すべて切り離してしまいたい。たとえば眠っていたい。なにも見たくはないし、聞きたくもない。身体のどこにも力を入れたくないし、おれは眠っていたい。