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空から気分のいい王国が降ってきて

なにか

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空から気分のいい王国が降ってきて、存外悪くない気分でおれは安い赤ワインを飲み干そうとしていた。なんでも許されるような気がして、勇気を出して一歩を踏み出してみる。二歩目を踏み出してみる。二歩は反則。おれは赤面して、また例の泥沼のなかに顔を突っ込んで息を止める。一秒、二秒、三秒、あと何秒? 渺渺たる大海、おれはそのなかのカエル。カエルは帰る、巣穴に帰る。巣穴のなかも地獄だった。地獄、変? 地獄、普通? レギュラーサイズでお願いします。お願いしたのに出てきたのはラージ。デヴラージ。おれにはラヴもなければハートもない。とっくにわかっていたことだった。ただ、空から降ってきた王国はそんなことも赦してくれて、踊ろうって言ってくれたんだ。敷き詰めれれたホワイト・ライン。片っ端から吸いまくってやるさ。スイムスイム、おれは水の中を自由に移動できる魚座の男。鱗はないけどブログはある。おれはおまえらに絶望の手紙をおくろうと思う。受取拒否は自由だぜ。それでもおれはおまえの脳髄を絡め取ってやる。おれだってコートのボタン付けくらいは一人でやってみせる。玉結びがうまくできなくたって、結べばいいんだろう? ボタン穴、十字に、糸は何回もそこを通り、安定を約束される。おれも安定を約束されたい。安泰になりたい。安らかなるものに逃げ込みたい。そのための時間をくれ、ちょっと待ってくれ、おれが王様になるまであとちょっとなんだ。そのためにおれは王太子ボタンを一日に二十四回も押している、押し続けているんだ。ラヴとハートのない王様。ひとり、暗い部屋で安い赤ワインを呷っている。おまえに言うことはなにもない。おまえはおれの言うことの全てを悟ってしまったのだから。だから、天の王国は地に堕ち、おれたちは終わらないダンスを踊るんだ。終わらないダンスを。