ファンだから買った 『それでも町は廻っている公式ガイドブック廻覧板』

 

 ああ、もう出てたのけっこう前だったんだ。金のない季節だったから、そのうち買うかとか思ってたのだっけ。

それでとくに理由もなく「そのうち」が来たので買ったのだった。『それ町』がすばらしい終わり方をして、それでもやはり忘れていって、でもまだなんかちょっと残ってる、そんなタイミング、それが「そのうち」の今だった。

で、この廻覧板の一番力の入っているところはどこかというと、やはり著者による自作全話解説だろうか。まあ、はっきりいって押入れから『それ町』全部引っ張り出してきて「これはそうなのか」などと確認することはなかった。ただ、タイトルと解説から、「ああ、あったなあ」とか思ったりした次第。なお、とことんぶちまけるという方針(もうちょっと上品な言い回ししてたな)から、「本当のエンディングはどこか」というところまで述べられていて、そこだけは確かめようかな。

あとは年表。そう、『それ町』は永遠の三年間方式でも、ちゃんと進級する方式でもなく、シャッフルで連載されていた。だからそこにいろいろの伏線もあって、寂しさもあって(紺先輩がいなくなってるとか)、でもどっかもどかしいところもあったりで。それで、念願の年表を手に入れたぞ、と思ったが、やはりこれも全冊引っ張り出してくるのが面倒なので。でも、そのうちすごくそういう気分のときに見比べてみようかな、とは思った。

おれが買ったのは書籍版で、三版だった。愛されていた漫画、愛されている漫画なのだな、と思う。アニメでもう一期、という希望は実らないだろうが(紺先輩の声の人やめてしまったのだっけ)、なかなか巡り会えない良い漫画だった。おれは『木曜日のフルット』も好きだし、石黒正数先生は引き出しも多そうだし、またの傑作を期待したい。以上。

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