2015-01-01から1年間の記事一覧

吉本隆明『現代日本の詩歌』を読む

現代日本の詩歌作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2003/04/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る 先日、宇多田ヒカルの活動再開という派手な誤報があった。おれは宇多田ヒカルが好きなので、「おお…

12年なんてあっという間『6才のボクが、大人になるまで。』

6才のボクが、大人になるまで。 [Blu-ray]出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン発売日: 2016/02/03メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (9件) を見る 主人公の少年が6歳(ブラウン管テレビでドラゴンボール見てる)ところから、…

まったく戦車は最高だぜ! 劇場版『ガールズ&パンツァー』を観るのこと

(『街道上の怪物』小林源文より) 『ガルパン』とおれ、おれと『ガルパン』。おれは自分のTIMBUK2にエーリカ・ハルトマンのエンブレムをつけているくらいすばらしい『ストライクウィッチーズ』を愛しているが、似たようなジャンルに分類されそうな『ガルパ…

オルダス・ハクスリー『永遠の哲学』を読む

永遠の哲学―究極のリアリティ (mind books)作者: オルダスハクスレー,中村保男出版社/メーカー: 平河出版社発売日: 1988/03メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (4件) を見る 自己とは何かを深く問い、究極のリアリティの直接体験をめざした…

材料はいいけど馬力が……ハリ・クンズル『民のいない神』を読む

民のいない神 (エクス・リブリス)作者: ハリクンズル,木原善彦出版社/メーカー: 白水社発売日: 2015/02/13メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る 特異な語りの配列、 視点の切り替え、 時空を行き来する 数多のエピソード、 9.11後の「現実」を…

悲観的な世界観と奇妙なしばき主義……アラン『幸福論』を読む

幸福論 (角川ソフィア文庫)作者: アラン,石川湧出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川学芸出版発売日: 2013/08/22メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 「え、なにこの表紙?」と思って思わず手にとった。おれは根っからの悲観論者で、おのれの人生にな…

トマトも嫌い、ピーマンも嫌い、死を求めながら生きていても矛盾はない

アランの『幸福論』を読んでいたら、アランが批判する文言として次のようなものがあった。悲観論者曰く「われわれは生きることも死ぬことも同時に増悪することができる」云々。これにおれはハッとなった。 「生きるのが辛い、早く死にたい」という人に対して…

水木サンの訃報について(いまさらながら)

本当に調布に田園調布がないのか確かめに行く93.42kmの旅 - 関内関外日記 ……ただ、私は女にこんな話しを聞いたことがある。彼女の友人が、調布の街で水木御大を見かけたことがあった。ファンだったので、声をかけた。そしてサインを貰おうと思った。が、あい…

はじめてのたのしいバリウム

現世に煉獄はなく、天国か地獄だけがある。なぜなら、忍耐強く苦痛に耐える者は楽園を有していて、そうでない人は地獄をもつからである。 ――聖フィリッポ・デ・ネリ 眼鏡を外したおれの状況把握能力というのはたいへんひどい。視覚ばかりでなく、相手が何を…

『よつばと!』13巻でいちばんよかったところは?

よつばと! (13) (電撃コミックス)作者: あずまきよひこ出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2015/11/27メディア: コミックこの商品を含むブログ (147件) を見る そろそろ最新刊が来るだろうと思っていたら、来ない。そんなはずはと…

おれとKenとBenものがたり

※食事中の方の閲覧はおすすめしない。 ……… …… … はい、というわけでKenとBenの話である。おれが生まれてはじめてKenとBenをした話である。そうだ、おれは生まれてこの方、KenとBenと無縁で生きてきた。Siriのホールになにかパッチを貼るような検査は学校でし…

20代のころの無賃労働がすっかりおれを駄目にしてしまった

10代後半から20代前半のおれは何も考えず大学を辞め、なにも考えず社会的ひきこもり、ニートをやっていた。突如、家の事情でそうはいかなくなった。夜逃げ、一家離散。そしておれは働くよりほかなくなってしまった。いろいろの事情があってまともな労働環境…

自販機に吸い込まれた510円について

寒い中ずったらずったら歩いて帰宅していたら、会社から急いで戻るようにとの連絡。自転車だったら部屋に着くまで気づかなかったろうが、また寒い中をずったらずったら引き返す。ついていない。— 黄金頭 (@goldhead) 2015, 11月 25 最近おれのiMacはアホみた…

オールド・パーについて

詩人になりたかったら 詩をかかないで スペイ川の水を飲み ライ麦パンを喰べて 黒ツグミの歌を歌うこと カレンダーは果実 そうすれば長生きするし長生きすれば だれだって詩人になれる ぼくのことを パーじいさんなんて呼ぶけれど ぼくにだって青春はあった…

カー2/神林長平『魂の駆動体』を読む

いや、それよりもカーを運転する楽しみというものが味わえるというものだ。免許をとったおれは家のフォルクスワーゲンのセダンを毎夜意味なく走らせたものだった。カーには運転する喜びがある。そこにどれだけの意味を見出すか、あるいはどの程度の人がそれ…

漫画『新世紀エヴァンゲリオン』(貞本義行)を一気に読む

Kindleストア-[まとめ買い] 新世紀エヴァンゲリオン どこで最初に情報を知ったのか(たぶんhttp://kindou.info/57649.htmlのはてブ経由?)忘れたが、今ならKindleストアで全巻で700円! というのを見かけて、即座に購入してしまった。おれは電子書籍という…

マイナンバーが来た!……が、つまらぬ!

マイナンバーが来た!……と報告するのは禁止されてないよな? pic.twitter.com/oUl3tE1VqU— 黄金頭 (@goldhead) 2015, 11月 22 部屋着用のジャージを着てぼんやりインターネットしていたら、ドアをノックするような音が聞こえた。「ような」というのは、おれ…

映画『<harmony/ >ハーモニー』はよかった

<?Emotion-in-Text Markup Language:version=1.0:encoding=EMO-590378?> <!DOCTYPE etml PUBLIC :-//WENC//DTD ETML1.0 Transitional//EN> <etml:lang=ja> <body> <question> <q:わたしはアパートの契約更新を控え、ただでさえ金がないのに映画な…

できればその前に笑えるガスを吸わせてくれ

www3.nhk.or.jp この事件について上司が「日本人も我慢がきかなくなってきたのかねえ」というようなことをのたまったので、おれは「我慢がきかないような人間なら就活ならとっくにやめてますよ。そうじゃないからストレスが溜まったんでしょう。自殺するしか…

「コミックキューン」はおれのために作られてはいなかったようだ

コミックキューン 2015年12月号出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー発売日: 2015/10/27メディア: 雑誌この商品を含むブログ (2件) を見る おれの立ち寄るコンビニに、ハイソなセブンイレブンがある。雑誌棚にエロ本がない。エロ本どころか、最低…

ロバート・クーヴァー『ユニヴァーサル野球協会』を読む

ユニヴァーサル野球協会 (白水Uブックス)作者:ロバート クーヴァー出版社/メーカー: 白水社発売日: 2014/01/18メディア: 新書 おれが小学校低学年のころだったろうか。弟とガン消しのトントン相撲で遊んでいたときのことだ。おれは「ちゃんと番付表を作って…

たとえばここに地獄があって

たとえばここに地獄があって。おれは凍えていて。うっかりすると心臓がどろりと身体の中からずり落ちそうな気持ちで、もたもたとしか歩けない。朝、ベッドの中から出るのが苦痛でしょうがない。脳のなかをどうにかする薬を飲んだところで脳のなかはまるでよ…

2015/11/18 (水) 東京都・新木場 STUDIO COASTくるりのライブ、にて

2015/11/18 (水) 東京都・新木場 STUDIO COAST "NOW AND THEN vol.2" くるりのライブである。いつ以来か。一年以上経ったか。おれにはよくわからない。ただ、STUDIO COASTに来るのはくるりのライブ以来である。おれはバンドのライブというものはくるり以外行…

エーエーガルダンはいないのかい?

少し前のことだがビービーガルダンという名前をひさびさに見かけてそれならばエーエーガルダンがいたっていいじゃないかと思った、おれは。むろんのことながらnetkeiba.comのデータベースを頼りに。 エーエー エーエージェントという馬がいた。これはなにか…

ニコラス・ウィンディング・レフン『ブロンソン』を観る

ブロンソン [DVD]出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント発売日: 2012/12/05メディア: DVD購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (18件) を見る 『ドライブ』はたいへん好もしく、『ヴァルハラ・ライジング』は眠く、『オンリー・ゴッ…

おれの中から「楽しい」が無くなってどれだけ経つのかわからない

暗い部屋はおれの身体を芯から冷やし、外を歩けば寒風が肌を撫で、相変わらず貧困の恐怖に打ち震えている今は2015年の冬という。 心療内科だか精神科だかの医者曰く「あなたのような境遇であればこのような精神状態になるのは当たり前だ」という。中島らもの…

焼酎のお湯割りに梅干しを入れて飲めなかった女

女は酒が嫌いではなかった。かといってとくに好きというわけではなかった。飲み会があれば普通に参加して乾杯のビールを一杯飲んだ。晩酌では週に何回かキリンの一番搾りの135ml缶(ある意味、贅沢だ)を一缶開けるくらいのものだった。 その女が急に焼酎の…

塩を舐めて焼酎をあおる

キャベツ、冷凍コーン、肉。 pic.twitter.com/BJ4YXpeIU1— 黄金頭 (@goldhead) 2015, 11月 10 夕方の五時くらいから妙に腹が減っていた。腹が減ってしょうがなかった。安アパートに帰ってお好み焼きを作るのもしんどいくらいの空腹だった。 コンビニに寄って…

『死のエピグラム 一言芳談を読む』を読む

死のエピグラム―「一言芳談」を読む作者: 吉本隆明,大橋俊雄出版社/メーカー: 春秋社発売日: 1996/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 吉本隆明の名が大きく出ているが、冒頭の解説のみである。 日本の古典のなかで「一言芳談」は、五本の…

厨二病の黒歴史ポエムの参考に?―『吉田一穂詩集』

吉田一穂詩集 (岩波文庫)作者: 吉田一穂,加藤郁乎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/05/18メディア: 文庫購入: 1人 この商品を含むブログ (4件) を見る 詩心やら学ある人からすれば「厨二病」も「黒歴史」もとんでもない! ということになろうが、おれ…