仏教

川崎大師でのこと その一

本堂の護摩壇をお坊さんたちが取り囲み、お護摩が始まりました。私はちょうどお賽銭を投じ、お祈りをしたばかりでした。偶然始まったお護摩、せっかくなので外から見学することにしました。中に自由に入れそうなのですが、お護摩の代金を払っていないので、…

神の街の殺杉

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060614-00000167-mai-soci 世界遺産に登録されている和歌山県かつらぎ町上天野の丹生都比売(にうつひめ)神社境内にある樹齢約100年の杉の根元に穴が開けられ、中に除草剤がまかれていたことが14日、分かった。 …

山口組無情

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060518-00000015-kyt-l25 天台宗総本山・延暦寺(滋賀県大津市)で指定暴力団山口組の歴代組長の法要が営まれていた問題で、同寺の代表役員を務める今出川行雲執行(しぎょう)(68)が18日までに、引責辞任する意向を…

光定戒牒

嵯峨の書は、空海の影響をつよくうけている。 とくに延暦寺蔵の「光定戒牒」は嵯峨の真蹟であるとされるが、王羲之流の端正さを脱し、空海の「風信帖」が一行のなかにも突如書風を変えた文字を挿入して変化を楽しませるのに似て、優美でひろやかな境地をひろ…

弘法の泉

「トリビアの泉」を見ていたら、弘法大師が出てきた。「弘法筆を選ばず」ということわざがあるが、書の出来の悪さを筆のせいにしたことがある、という内容。これに関しては、こちらのページ(http://www.asahi-net.or.jp/~bv7h-hsm/koji/nousyo.html)に、補…

天台宗開宗1200年記念「最澄と天台の国宝」東京国立博物館

http://event.yomiuri.co.jp/2006/tendai/●新日曜美術館をたまたま見た。はなさん出演の最終の日だったと思う。俺はどこかしら仏教に興味あり状態になっていたので、興味深く見た。出演していた専門家だろうか、「こんな言い方は叱られるかも知れないが、真…

『何も願わない手を合わせる』藤原新也

ASIN:4487798493 「ほら、このお家に御大師さんっていうエライエライお爺さんがいてはるんよ。こうやって手を合わせ、御大師さんコンニチハってお辞儀をしてみ」 ◆流れ星に願い事を三べん唱えると願いがかなう。そんなロマンチックなまじないがある。しかし…

硫化水銀大仏

http://www.tv-asahi.co.jp/earth/midokoro/2006/20060226/index.html こないだの日曜日、普段はまったく興味がない『素敵な宇宙船地球号』みたいな番組(というかそのもの)を見ました。お題が水銀で、平城京遷都の話が出てきたからです。このあたりの時代…

日本人の三蔵法師について

三蔵法師というとやはり玄奘のイメージが大きい。大きいが、三蔵法師は中国皇帝が優れた僧に与える位であって、固有名詞ではない。たとえば、空海入唐の際に彼にサンスクリット語を享受したのはインド僧である般若三蔵だ。そして、同じくその般若三蔵に師事…

初詣へ

http://www.nogeyama-naritasan.jp/index.html 桜木町の成田山横浜別院(野毛山不動尊)に初詣へ行った。近くには伊勢山皇大神宮などもあるが、このところ仏教づいているので迷わずこちらをチョイス。特にここは真言宗なのだから文句はない。考えてみれば、…

流れよ我が滝、と文覚上人は言った。

http://www.sanspo.com/geino/top/gt200512/gt2005122102.html 同氏は寒波が列島を襲った今月17日、神奈川・山北町の洒水(しゃすい)の滝に向かった。この滝は鎌倉時代の名僧、文覚上人が百日の荒行を積んだことで知られる滝行の名所。 同氏とはテレビ朝…

新シルクロード・西安

ドカーンの後に山南さん、すなわち堺雅人なんだもの、そりゃ見てしまいますよ。いや、そんな『新選組!』要素を無視しても見たかもしれません。なにせ大唐帝国の都である長安が取り上げられていたのですからね。もちろん、留学僧であった空海がらみの本で当…

球界に真言を具す

今季本塁打王を獲得した広島・新井貴浩内野手(29)が5日、昨オフ初挑戦した鹿児島・最福寺での精神修行・護摩行(ごまぎょう)を今オフは単独で敢行、本格化させることを決めた。 広島東洋カープが誇る右の大砲にして2005年の本塁打王・新井貴浩が、再び…

菊慈童は魚腹浦の夢を見るか?

三国志ファンは三国時代をどうしても過大視してしまう、あるいは過大視したくなるものです。しかし、世界史の教科書など見たところで、三国時代は中国の歴史年表の、ものすごく細い幅に、さらに三つに分割して押し込められているだけ。覚えるべき人名も主要…

『天台密教の本―王城の鬼門を護る星神の秘儀・秘伝』

ASIN:4056017573 以前手にとって読んだ『密教の本』(id:goldhead:20051107#p3)のシリーズだ。もちろんこれも古本で、価格は五百円。どうも人気のシリーズらしく、東洋西洋の宗教絡みで二十数冊出ているようだ。そして、この本には「ムー編集部」の文字も消…

神仏ステークス

弘法大師空海といえば日本密教界のビッグ・スターである。その証拠に、クーカイ(萩原清厩舎)とピサノクウカイ(藤沢和雄厩舎)という二頭の競走馬を競馬界に送り込んでいる。しかし、一方で伝教大師最澄の名を競馬で聞いたことがない。チアズサイチョウ、…

『天平の甍』井上靖

ASIN:4101063117 (私が読んだのは昭和三十九年刊・定価80円のもの) 「この前お出での時は確か『虚空蔵求聞持法』だったのでしょう。二十年くらい前、善無畏が長安の菩提院で訳したものです。いまここにあるものは先年大福先寺で訳した大日経で、密教の教理…

『神仏分離』圭室文雄

教育社歴史新書(1979年刊行…↓現在購入できません) http://www.bk1.co.jp/author.asp?authorid=110000636600000 民衆の信仰というものは、儒者や国学者や政治家が合理政策のワクで律しようとすればするほど、そのワクをとびこえ、不合理なるがゆえに民衆の…

『密教の本 驚くべき秘儀・修法の世界』

ASIN:4051060233 さて、俺は空海に関する本を数冊読んだが、いずれも空海その人とその思想に焦点を当てたものだったので、いまだに密教・真言宗についての概観を得られたような気がしていないのだ。そこで、古本屋にて見つけて手に取ったのがこの本。少しお…

鑑真が来た!

昨夜のNHK『その時歴史が動いた』のテーマは鑑真。このところ空海づいているところがなければ、見ようという気は一切起こらなかったであろう。そして、この番組を俺は食い入るように見た。自分でも滑稽なほどに。俺ももう歳なのか、いやはや。しかし、いろい…

涙の腰越状

大河ドラマの『義経』を、久々にそれなりに見た。なにせ、タイトルが「涙の腰越状」。腰越といえば、あなた、私の地元でした。しかし、地元といってもちょっと違う。俺は津西の方だったからな。……と、あまりに瑣末な土地鑑を持ち出してもしかたないが。まあ…

理趣経ピアス

http://www.mikkyo21f.gr.jp/calligrapher_matsuoka.html 梵字というのは字素の一つ一つのエレメントがさまざまに組み合わさって一つのコスモグラムとして種子になったものです。したがって、一字でひとつの世界観を象徴できるわけです。たとえば、神仏を象…

三國志8をはじめた

突如、コーエーの三國志8をプレイしはじめた。8は駄作の声が多く、安く買えたのだ。三國志シリーズは2、3、4あたりをやりこんだ覚えがある。逆に、ブランクがあるので、ずっとやってきたファンにそっぽ向かれてても、俺には新鮮でいいのではないか、というあ…

『陰陽師』岡野玲子/原作:夢枕獏

ISBN:4592132114/ISBN:4592132122/ISBN:4592132130/ISBN:4592132149/ISBN:4592132157/ISBN:4592132165/ISBN:4592132173/ISBN:4592132181/ISBN:459213219X/ISBN:4592132203/ISBN:4592132211/ISBN:459213222X 唐の官制では天文暦法と陰陽卜占とはま…

『空海の風景』司馬遼太郎―その2

その2(id:goldhead:20050918#p2の続き) ASIN:412202076X ◆最澄(続き) やや行きすぎのところがあったと言ってもよく、筆者はこうも書く。 真言宗の学匠でさえ、最澄との関係における空海の態度を十分に語ることにひるみを覚えてきたような気味があり、両…

『空海の風景』司馬遼太郎

その1 ASIN:412202076X 筆者はともかくこの稿を書きおえて、なにやら生のあるものの胎内をくぐりぬけてきたような気分も感じている。筆者にとって、あるいはその気分を得るために書きすすめてきたのかもしれず、ひるがえっていえばその気分も、錯覚にすぎな…

『花鳥風月の科学』松岡正剛

ASIN:4122043824 私が本書の中にあえて科学的な話をはさんだのは、花鳥風月という感覚的な対象に科学的な根拠を与えたかったからではありません。むしろ科学にも、花鳥風月に通じる感覚や思考がひそんでいることを伝えたかったのです。 一週間以上に前に読み…

『夜の曼陀羅』勝目梓

ASIN:4195875609 たぶん、ご想像いただけると思うのですが、夫の眼の前で他の男性に抱かれた妻と、それを終始眺めていた夫というものは、その後どうしてもぎくしゃくいたします。 松岡正剛『空海の夢』を出でて、勝目梓『夜の曼陀羅』に至りました私でござい…

『曼陀羅の人 空海求法伝』陳舜臣

ASIN:4087487180 著者あとがきより 書いているあいだ、私は自分の心を空海に近づけている気がして、法悦のごときものを感じた。 俺は松岡正剛『空海の夢』を、何らの予備知識すら無しに読んでしまった。だから、その著の冒頭でポケットに入れられてしまった…

『空海の夢』松岡正剛 つづき5

ASIN:4393136136 ASIN:4393136128 id:goldhead:20050817#p4のつづき 23-マントラ・アート A 空海の言語思想について自由に話してみたい。 から始まり、AさんとBさんの対話形式による章。いきなりこういうことするのだから面食らってしまう。自由にポンポンと…