電車内で独自のアナウンスをする人

 昨日、京浜東北線の車内で見かけた「独自のアナウンスをする人」は凄かった。はじめは、スピーカーの不調かと思ったのだ。ちょっと声が小さいから。けど、しばらくするともっと大きな音で、本物のアナウンスが。え、これ、そうだったの?って感じ。車内を見回すと、連結部にいる人がそうらしい。髮型が特徴的だ。中央部を少し薄く刈り込んでいる、逆モヒカン。中肉中背といった体型だが、正直年齢は想像がつかない。イヤホンから何かを聞いており、手には漫画雑誌を持っていた。
 で、何が凄いかと言えば、「次は●●、●●、お出口は左側です」などという、通り一遍のアナウンスではないのだ。本物らしさに独自のアレンジを加え、たとえば「市立◎◎病院をご利用の方は次でお降りください」などと、路線バスのような紹介を加えたり、「ただいまJRみどりの窓口では、国内外の旅行チケットを〜」というようなコマーシャルまで入れる。しかも、電話番号までそらんじるのだから大したもの。
 そんな彼を車内で見ていた、中学生くらいのちょっと悪ガキ風の子どもたち。大喜びで笑い物にしていたのだが、偶然にも降りる駅が「独自アナウンス氏」と一緒。自分もたまたま同じ駅だったので、はしゃいで追いかけていくのをなんとなく追っていくと、ガキたちが話しかけはするものの(敬礼して「ごくろうさまです!」「JRに入りたいの?」「がんばれよ」などなど)、「独アナ氏」は何も答えずに去っていってしまった。何か起こるとも思っていなかったけどね。何やってんだろうね、俺も。