大船、ユニクロ、ルノアール

 大船のルミネにあるユニクロに行った。行って驚愕した。旧ソ連のようなレジの行列である。全盛期のユニクロもこんな感じだったのだろうか。自分がユニクロに行くようになったのは、一時のユニクロブームが去った後だ。安くて良いもの、いいじゃないですか。それが、高級化路線とか言うのだからよくわからない。二本で四千九百九十円のズボン(パンツという言葉は苦手です)の一本分を買った。あと、レジに並んでる間に部屋着を買った。
 スソアゲに一時間掛かるという。時間を潰さねばならない。しかし、大船は俺の街だ。隅から隅まで知りつくしている。というわけで、駅前の交番の横のマクドナルドかファーストキッチン。しかし、ここはけっこう混んでいる。仲通に入る。昔、鎌倉書店という本屋があった場所は、派手なゲーセンになっていた。鎌倉書店は一階が本屋で、二階にそれなりの文房具という構成だったが、いつしか一階では古本、二階にはゲームショップのトップボーイが入るなど迷走。結局潰れてしまった。近くに島森書店というライバルがあったし、仕方ないところか。
 そこでふと目に付いたのが喫茶室ルノアールの看板。寂れたビルの地下にあるようだ。「あれ、こんなところにあったっけ?」ということで、さっそくチン入。配管むき出しの怪しげで暗い階段を下りると、そこには広い喫茶室が。入ると少しタバコのにおい。ソファに座って歓談するお客さんたち。年齡層が高い。俺が一番若い、という実感。しかし幸い、ウェイターの男の子が俺より若かった。なんでこんな暗い地下のバイトを選んだのか。注文したのはヨーグルトドリンクのストロベリー味。一緒にシラップも付いてきたけれど、そのままでちょうどよかった。
 しかしなんだ、なんか落ち着ける場所だ、ここは。客の年齡層が若いのもいい。俺は小さな頃から若者が苦手だった。ファストフード店や最近のコーヒー屋は客層が若くていけない。俺が鎌倉市民だったころに気づきたかったものだ。まあ、飲み物の単価とかは高いけど。で、しばらく時間を潰していると、サッと出てきました緑茶。これがなくっちゃ、ルノアールとは言えない。
 時間になり外に出ると少し暗くなっていた。向こうの方から、仲通商店街の活気が聞こえてきた。この街はなかなか再開発が進まない。