真面目な親ほど殺される

 何かの曲が頭の中でリフレインして困る、というのは誰にでもあることだろう。今朝、私の頭にこびりついていたのは以下のフレーズである。「ハイッハイッ、ハイハイハイッ、あるある探検隊あるある探検隊!」。曲どころか、お笑い芸人のネタだ(名前を検索したらレギュラーとあった。別にまったく知らないわけではない。夏の27時間テレビで、坊主頭の方が「壊れかけのレディオ」を無茶苦茶上手く歌っていたのも知っているし、先輩からきちんとした衣装にしてみろと言われ、シャツにネクタイ姿を始めたら人気が出たと、上沼恵美子の番組で言ってたのも知っている。思うに、名前が一般名詞すぎて覚えられないのだ)。しかも私は、前段部分のバリエーションを「笑てるババアの口ふさぐ」しか覚えておらず、これには困った。電車に乗り、そこでふと、広告のフレーズでも入れてみようと思ったのだ。そして気が付いた、レギュラーすごいな、と。
 何が凄いのか。ものすごく短いのだ、フレーズが。広告のコピーなどは短いものが多いが、それでもあの節には当てはまらない。「間違いない」や「残念!」の人など、定型句ネタをやる芸人は多い。しかし、このレギュラーのは、実に短く、融通がきかない。この短さで笑いを取らなきゃいけない。これは大変な事だな、と思ったのだ。
 結局、見渡す限りでうまく入ったフレーズは、「週刊文春」の中吊り広告にあった上の見出しくらい。ああ、またリフレインが「ハイッ、ハイッ……」。