常設展&木村伊兵衛展(東京国立近代美術館)

 常設展は琳派展を見に来たとき見たのだが貧乏人の貧乏根性というやつで足早に見ようと思ったのだが意外に時間が掛かるものだ、そして疲れるものだ。意外なことに前回も足早に見たつもりだったが「この作品はあった」「これはなかった」というのがはっきりと分かるのだ。これには僕らも驚いた。
 岡本信次郎の作品があった。前にはなかった。岡本信次郎の作品は神奈川県立美術館葉山館で一つ見た限りだが、とにかく気に入ってしまった。とにかくスタイリッシュでなおかつナンセンス(この日見たのだって「日本で学生服を買ったスフィンクス」だぜ)で、かわいいのだ。検索してみたら絵本があるなASIN:4338074027。買おうか。同姓同名ではないよな。
 木村伊兵衛展は時系列に添った常設展にちょこちょこ顔を出しており、最後はワンフロア使っていたけれども、足早に通り過ぎている人が多かった。それはもう写真の中身云々ではなく、肉体的に疲れていたのだと思う。
 俺も足早に見てしまったので(もうちょっとゆっくり見たかった気もするけれど例えばこれ単体の展覧会では絶対に足を運ばないだろう)、あまり感想は言えない。ただ一つ気になったのは木村の写真が掲載された戦争直前の雑誌。開かれた写真とは反対のページは広告のページ。内容は「米國××博士の發明したメスを用いぬ劃期的な包莖治療法」云々。今から戦争しようというのにこれである。男はいつの時代も同じことにくよくよしているのか。
 草間展のチケット常設展の他、さらに工芸館にも入れるというが、それは流石にパス。毎日新聞社の地下の食品街で海鮮丼など食べて帰った。東京駅は人が多いので嫌いだ。今日くらい空いていた美術館は好きだ。