流れよ我が涙、と加藤は言った

 普段はあまり見ない報道ステーション。しかし、昨夜は安倍晋三が渦中のNHK‘政治圧力’問題について生出演ということでチャンネルを合わせた。結果から言えば、片ガチじゃないかってくらい安倍がKO勝ちってとこだろう。前身のニュースステーションの頃より、自民党に目の敵にされるこの番組。今、一番自民党にとってありがたい番組かもしれない。何せ、一方的に主張を読み上げるよりも、敵対意見があってそれに論じ勝つ方が説得力がある。
 この点で、安倍の切り回しは見事なものだった。批判対象の意見・内容とはいえ、かなり口にするのもはばかれるであろう発言を、まず冒頭に言ってのけたのが好プレー。それ以後、古舘伊知郎が何を言っても説得力に欠くようになる。そして、昨夜一番下手を打ったのは加藤千洋。知的で上品な雰囲気が人気だったというが、外見どおりに議論下手で肝の据わってないことをさらけ出すことになった。その上、「お前、北鮮にオルグされてんだろ」と、レッテルを貼られてしまったのだ。大丈夫か。SMとかに走るなよ。
 しかし、加藤はともかく古館は弱すぎる。もうちょっとなんとかならないのか。旗色が悪いからといって、「告発者がここに居ないので、そちら寄りにならざるをえない」的なエクスキューズをするあたりなんか最悪だ。かといって、無理に戦おうとすればボロが出るし、そもそもこの手のリングに上がるには練習が足りないんじゃないか。曙ではないけれど、番組もたまには勝てそうな相手を用意してやったらどうなのか。