http://www.nikkansports.com/ns/baseball/f-bb-tp0-050419-0038.html
ふりむくな/ふりむくな/うしろには夢がない/ミセリがいなくなっても/すべての救援失敗は終わるわけじゃない/人生という名のスタジアムには/次の登板をまちかまえている百万人の/名もないミセリの群れが/朝焼けの中で/投げ込みをするミットの響きが聞こえてくる
……いや、駄目だ、ハイセイコーの詩を見ると駄目だ。‘ミセリの群れ’に思いを巡らすこともできない。しかし、ちょっとだけミセリに思いを巡らそう。彼が横浜スタジアムで救援を失敗した夜、仕事からの帰り道で酔ってベイスターズの歌をうたう人たちを見た。僕の仕事場は横浜スタジアムの近くにあった。それくらいだ。野生のミセリには日本のスタジアムは狭く、小さすぎた。ただ、それだけなのだ。彼が今後アメリカのリトル・リーグならぬビッグなリーグに帰るのか、ケビン・ミッチェルやグリーンウェルの世界に帰るのかは知らない。しかし、いつか思い出すこともあるだろう、カンバーランドやボールと同じ箱から取り出して。