「残雪の峰」

 上のお出かけの帰りに、横浜公園の開港記念バザーの中を通ってきた。そこで、小さなサボテンを買った。名札には「残雪の峰」とある。トゲは無く、ごつごつした深緑色のサボテンで、頂部に残雪のような白いものがついている。山々の頂に残る白雪の名残り、まさに深奥幽玄の境地であり、森羅万象の凝縮がこのサボテンに含まれている逸品。三個で五百円。残り二つについては、同行していた人が派手なのとシンプルなのを買った。
 さて、「残雪の峰」は何者か。『園芸植物大辞典』(小学館)を調べたら出てきた。サボテンの仲間でモンヴィレア属。学名Monvillea spegazzinii、園芸流通名「墨残雪」の帯化品とある。帯化とは植物の茎が扁平になることを言う。なるほど、「残雪の峰」は富士山のような形ではなく、薄べったい連峰のような形だ。原産地は雪が降るのかどうか知らぬパラグアイ。頂部の白い物は綿毛らしい。
 うーん、やはりサボテン・多肉植物の類は面白い。今日もサボテン・多肉植物屋で、大物や寄せ植えに思わず手が出そうになったほどだ。何より形が面白いし、何かに見立てられそうな趣がいい。植物ほど弱くはなく、鉱物ほど不変ではない。これはとてもいいぞ。金や場所に余裕があったら、ここら辺を攻めてみたいもの。
 そうだ、以前買ったリトープスアルビニカ君を忘れちゃいけない(id:goldhead:20041214#p6)。やはり手が掛からぬのはいいことで、ちゃんと「脱皮」「分裂」という気味の悪いものを拝むことができた。そこら辺を毎日一枚携帯のカメラで撮っていたので、いずれgifアニメにでもしようかと思う。