1馬のこと

 俺は長年1馬を愛読してきて、それは清水成駿がいたからに他ならないのだけれど、成駿のいない1馬も競馬もつまらなくなってしまって、それ以来1馬は買わなくなってしまった。いなくなった直後は何度か買ったけど、なにか寂しいものがあって、避けるようになったのだ。しかし、先週のダービー今週の安田記念と買ってみた。やはり最初に手に取った競馬新聞ということもあって馬柱やコメント欄を見ていると、実にしっくりくる。他場全レース掲載で四百円(「牧場・生産者の皆様へ…」なんて広告まであって、やたらアピールしてる)、これからも1馬にするか、と思った次第。
 しかし、ちょっと文句もある。かつて成駿が名物コラム「スーパーショット」を掲載していた部分が、面白くもない「先週東西メインレース的中」みたいな数行の煽りコピーだけになっていたのだ。スペースが勿体ない。たしか、佐藤直文の「奥義直伝」ってやってなかったっけか? 何でもいいからやるべきだ。俺は競馬新聞に言葉が足りないと思う。嘘でもいいから‘保険屋の藤田’の話を書け。わかったか。