虹を見た

 夕方、山手駅に人を送っていると、空に虹が架かっていた。しかも、はっきりした虹の内側に、かすかにもう一重の虹が架かってる。この珍しい眺めに思わず見入ってしまうほどだった。すれ違う人にも気づいてもらいたくて、盛んに指さして「珍しいね」などと会話しながら歩いた。私が見知らぬ人と分かち合いたい唯一のささやかな連帯感。空に架かる虹、燃える夕焼け、夜空を覆う流星群。