速い球の男

http://www.nikkansports.com/ns/baseball/p-bb-tp0-050720-0017.html

 試合前のスタンドで、練習を中断してサインをする姿をよく見かける。「自分にサインをもらったことがきっかけで、野球を好きになってくれたら。BASEBALL IS FAN」。

 今朝、はなまるマーケットで日本最速161km/hを記録したマーク・クルーンが取り上げられていた。なんでも、以前番組に出演した際に、160km/h越えしたらピザを160枚プレゼントすると約束したのだという。上の記事にもあるとおり、クルーン日本食に馴染まず、ピザ、ハンバーガーばかり食べるというのだ。そして、どんなピザをどうやってプレゼントするのか、薬丸裕英岡江久美子が「一度に送りつけても冷凍庫に入らない」だの「プレーンピザなら安い」だの話す姿に思わずグッときたものである。
 いや、しかしグッときたというのならば、クルーンの新記録だ。もちろん「球速なんてのは球場ごとのスピードガンでまちまちだから、あてにならないよ」という意見や、「球が速いからって何なんだ。ピッチャーに必要なのは勝ち星(防御率、登板回数……,etc.)だよ」という見解もあろう。しかし俺は、まあ、素直にスゲェ! ってことにしておきたいと思う。速球は速球でプロ野球の華の一つだからね。
 それにしてもクルーンだ。横浜ベイスターズの躍進を支える大きな働きをしているのは間違いない。シーズン当初は佐々木主浩の弟分みたい、みたいな紹介のされ方をしていたが、今や大魔神がどこの山に眠っているのかさえよくわからない。そして、球速が注目されるにつれ、クルーン自身についての情報も見るようになったけれど、なかなかのナイスガイって感じなのだ。実家まで取材しているテレビもあったけれど、お母さんも活躍を喜んでいたっけな。そうだ、今思いだしたけれど、こないだ祖父の一周忌で会った従兄弟が、クルーンと一緒に写った写真を持っていたっけ。ファンサービスも本物だろう(ふとズーバーの泣ける話を思い出したが、あまり関係ない→http://tear.maxs.jp/pic036.html)。
 しかしまあなんだ、クルーンの更なるスピードを期待する一方で、日本人投手の速球を期待するのは欲張りだろうか。今、日本で速いのといえば、オリックス山口和男だっけ。あ、ヤクルトの五十嵐亮太も忘れちゃいけないか。あと、何かのスポーツ番組で見たのだけれど、専門家が解析したところでは、松坂大輔だって160km/h越えできるポテンシャルは十分にあるとか。ただ、そのためには速球を投げるためのトレーニングをしてそのための筋肉を付け、そのためのフォームを作らなきゃいけないとかなんとか。それがピッチングという深淵で広大な領域全体にプラスにはならない公算が高いから、まあ何かがいろいろと噛み合うのを待つしかないだろう。