カラテカ殺し

 ガキの使いは先週(id:goldhead:20050725#p2)に引き続いての若手芸人殺し。これが裏のK-1の曙と被ったのだからもったいない。儀式のように転がる曙は一つの芸風だ。で、こちらはキレ芸風の浜田雅功に代わって、松本人志がキレるというドッキリ。しかし、松本は松本で、というか、ダウンタウンという存在自体が怖がられているのだろうな、きっと。
 それにしても、カラテカだ。あの試合前のマイクパフォーマンスの出来映えは奇跡的だ。自分たちが自分たちを標的としたドッキリに、恐ろしいほどのリアリティを与えてしまった。しかも、二人揃って。これ以上に「墓穴を掘る」という言葉が似合うシチュエーションがあるだろうか?
 展開は前回と同じく進む。松本はゲラなので、あのマスクに助けられた感はあるだろうか。ただ、前回標的になった2丁拳銃フットボールアワー井上マーの緊張感が薄い。……のは仕方ない。とはいえ、楽屋を訪れる浜田の演技もさすがのものだし、「舐めたらアカン」に笑わなかったのも皆たいしたもの。最後のオチまで前回と一緒で、これに続く第三の生贄は無く終了。大いに笑わせてもらったけれど、今書き添えておくならば、一晩経って「若手がかわいそう」の比率がいくらか上昇したのはなぜだろうか。
 さて、今後このドッキリはどうなるだろう。間隔を置くのが一つだろうけれど、松本キレバージョンまでやっては、流石に若手も何か勘繰るはずだ。しかし、勘繰ったところで「あんなに叩くんですか?」の浜田演技の前では言い出せまい。むしろ、若手側に仕掛け人を仕込んで置いて「これ、ドッキリじゃない?」と誘いかけるパターンや、わざとドッキリであるとわからせてそのリアクションを見るとか、そういう方向に行くのかも知れない。しかし、それはそれでインメルマンターンなみのひねり込みであって、やはり単純なバイオレンスの方が面白いのかもしれない。
 最後に、カラテカがこのイニシエーションを受けて一皮剥けますように。すべての哀れな若手芸人に祝福が訪れますように。