郵政法案否決―衆議院解散―総選挙へ

 郵政法案否決、並びに衆議院解散の一報が日本全土に打電された。総選挙だ! 街には人々の憤怒が渦となり、バリケードは降り積もった雪に身動きが取れず、諸国民への呼びかけばかりが虚しく響く。街頭には餓えた我が子を抱く母親の泣き声が響き渡り、地下の隠れ家では叛逆者への先鋭の一撃が企てられている。組織と戦術、抱擁と殺戮。閉ざされたシャッターの奥では絶え間ない索敵の目が光っている! 誰が従順な下僕で、誰が信頼しうる闘士なのか。日本国民は火打ち石で鍛えられる製鉄の意志を持って夜明けを待つ。突き刺された銃剣の音、塹壕の中の結束。迫害の見返り、貫徹されるべき正義。洋燈が割られ、火は燃え出し、東京の雪は溶ける。我々が総選挙の後、誰の旗に向かって万歳を唱えるのか!

※職場にはテレビが無いので、外の様子を想像して書いてみた。