誰もはいからさんを止めないで

 一昨日の晩のテレビの話をする。NHKの懐メロ的歌番組だ。ニュースの後にちょうど後半が始まる。田原俊彦が出てきて自らのヒット曲メドレーを歌う。俺はダンスの良し悪しなどわからない。しかし、運動量も切れもあるように思え、大したものと思う。メドレーの最初の方は曲名を知識として知ってるのみだ。しかし、「抱きしめてTONIGHT」は違う。俺はこの曲を、少なくともこのメドレーに入ってる部分ならば、歌詞を見ずに歌える。自分で自分に驚く。俺は特定のアイドルやそのヒット曲に興味を持つ子どもではなかった。しかし、この曲は知っている。多分、『教師ビンビン物語』か何かの主題歌だったのだろう。
 俺は小学生〜中学生の頃に、特定のアイドルのファンになるということはなかった。しかし、好みかそうでないかくらいの価値判断はあった。南野陽子は前者だ。その南野陽子が出てきて、「はいからさんが通る」を歌う。俺はこの曲をリアルタイムでギリギリに知らない世代だ。しかし、この格好でこんな曲を歌う。彼女は今年で何歳になるのだろう。いつだったか、中学生の息子を持つ母親役をドラマで演じる、という記事を読んで驚いた。それが、これは、「恥辱プレイ」の一歩手前か何かという、そんな気にさえなる。これには何かやられてしまう。これが「萌え」というやつだろうか。完敗だ。
 そのほかに気になったこと。C-C-Bは一歩向こう側という気がした。松本隆筒美京平というのは本当にすごい。清水國明といえばバス釣りブックオフ噂の東京マガジンという印象だが、あのねのねの「赤とんぼ」のろくでもなさは脅威だ。今、漢字を確かめるためにはてなのキーワードを見たら、落語研究会とある。そのあたりがルーツだったとは思いも寄らない。しかし、俺も普通に懐メロ番組を楽しむ歳になったか。いや、昔から昔の曲は好きだったような気がする。俺がソラで歌えそうなのは「抱きしめてTONIGHT」といくらかの軍歌だ。