炭酸水人間

 昨日でしたか一昨日でしたか、一日の初めの贅沢と、コンビニに寄りましてレモンフレーバーの炭酸水を買おうとしたところ、影も形もありません。本来レモンフレーバーすら余計という炭酸水党の私としては、ただただ肩を落とすばかりでありました。なぜ、日本では炭酸水を飲む人が少ないのでしょうか。
 そういえば、先日こんな記事を読みました。長らく「毒水」とされてきた水が、実は良質の天然炭酸水で、それが日本最初のサイダーとなった、というのです(http://spica.tdiary.net/20050820.html#p07)。そう、なにも天然炭酸水が湧き出るのはヨーロッパだけではありません。しかし、「毒水」じゃ普及するはずがありません。
 しかし、ちょっと検索してみますと、こんな記述も見つかったのです。
http://www.colawp.com/seasonal/200501/journey/

設置されていた碑文によると,この平野の炭酸泉を発見したのは源満仲(912〜997)と伝えられているそうだ。
(…中略…)
この平野の炭酸水は永らく薬用・浴用に利用されたが,明治初期に外国人迎賓用の炭酸水として再発見され,皇室御料品として厳重な管理の下で生産されたようである(これは「平野水」と呼ばれ,炭酸水の代名詞ともなった)。

 「薬用」「浴用」ということで、「毒水」から一歩飲料水に近づいたではありませんか。しかしやはり、飲料水、それも味や匂い付きが広まるのは明治以降ということになります。それ以前に無味無臭の炭酸水を飲む習慣が普及しなったのは、実に惜しいことです。
 しかし、ここまで日本では炭酸水を飲まず、ヨーロッパではずっと飲んできた、というような前提で考えていたのですが、はたしてそうでしょうか。確かにペリエは人間の歴史より古い。しかし、みんな飲んでいたのか?
http://www.suntory.co.jp/enjoy/desktop/drink/history.html

古代から清涼飲料水はさまざまな形で飲まれてきましたが、商品として登場するのは18世紀よりあとのことです。1772年にイギリスのジョセフ・プリスリーが炭酸ガスを水中に溶かす方法を発明し、炭酸水がヨーロッパ各地に広まりました。

 これだけではなんともわかりませんが、広く一般に炭酸水が飲まれるようになったのは、大昔からではないのかもしれません。地元の人間ならいざ知らず、普及となると別の話なのか……。謎は増すばかりです。しかし、ワインに真珠を溶かして炭酸飲料水として飲んだというクレオパトラの伝説、なんだか体に悪そうです。そんなに簡単に溶けるものなのか、試してみたくはありますが、あいにく私は真珠と縁がないのでありました。