絶対に笑ってはいけないハイスクール

 ダウンタウンガキの使いスペシャルを見た。結論から言えば、まあまあ〜いまいちという感じであった。もっとも、このシリーズへの期待の高さからの辛口得点かもしれず、また、最初の頃の新鮮さは失われていくものなので、実際見ている間の俺はかなり楽しんでいたと思う。そういえば、アパートの同じ棟かどこかわからないが、若い男女の笑い声も聞こえてきて、どこかの誰かと自分の笑うタイミングがずれていないことを確認できた。だからどうかといえば、どうでもない。以下、適当にメモ。
 最初はなんだっけ。エンクミならぬフジクミの案内か。旅館の女将に比べると、インパクトはいまいちで、噛むことで決定的な笑いも産めなかったか。まあ、これは偶然要素だし、おまけみたいなもの。で、ネタの一発目はムッシュかまやつ。アメフトのボールを投げつけられるかまやつ、呼び捨てにされるかまやつ。ついで野球部のエース温水洋一。早くも二三発入っていたかどうかわすれたが、まあこのあたりはこのあたりだろう。それよりも、その後の劇団ひとりのコントの方が面白かったか。
 菅プロデューサーネタは、アマレスの記事コラ。規模的にも前回の湯河原お出迎え看板にはかなわない。というか、ダイナマイト四国ネタが無いのが残念だ。残念というか、遠藤章造がこっち側だから仕方ないか。けど、「これを被れ」くらい仕込んでも良かったようにも思うが、はたして。
 えーと、それから朝礼か。他の生徒の中に目立つ顔の女性が居て、果たして彼らは何かと思ったら、エンドロールによるとよしもとの若手とのこと。なるほど、だから笑いに対する耐性があったのか。で、朝礼か。校長の人は役者だろうか、くちびるネタのキレはいまいち。ヘイポーの「お豆先生」というろくでもないネーミングと、マイクのハウリング(仕込みか? 偶然か?)はウケた。そういえば、体育館の映像の中のあるアングルのカメラが、古い裏ビデオみたいにぼけていたけど、あれはなんだろう。天気の影響か、体育館の水銀燈の影響か。どうでもいいが。
 それで、授業。国語は教科書コラでガースーの俳句。ベタだがおかしい。館ひろしは雨の中で大変だな、と。次に英語で村上ショージ登場。「マイハッタン」。あの、やかんを引きずるのは定番ギャグなのだろうか、よく知らない。そして、破壊兵器のジミー大西。これは凶悪な仕込みとしか言いようがない。しかし、ここでよく耐えていたように見えたのは山崎邦正で、どこかしら通ずるところがあるのかもしれない。
 人気者も出てきた。レイザーラモンHG。ところがこれは案外面白くない。ハードゲイが活きるのは、町中やオフィスなど、日常の空間じゃないだろうか。そこでこそあの強引で空気と関係ないキャラが際だつ。今回のように元からおかしな状況下(なんでんかんでんが居る、など)では、あまり威力を発揮しないのかもしれない。しかし、笑わせるために出てきた方も、笑いが取れないとかなりへこむんじゃなかろうか。あるいは笑いを堪えるよりプレッシャーかもしれない。
 そういう意味で健闘したのがほっしゃん。。理科の実験室でうどんを使った呼吸の授業。これも耐えるのは無理の世界。ゴムを入れてなぜかうどんが出てきてガマンができますか。しかも、全然笑わないで(むせたりはしたが)これをこなすあたりが素敵だ。
 続いて社会見学で観光名所へ。ここらあたりは、ロケ地とのバーターというか約束というかそういうところだろう。おばちゃん婦警ネタに使われていたミニパトも、側面にモザイクが掛かっており、あるいはホンモノじゃないかと邪推したり。運転席も婦警の格好をした人だったし。ここらで面白かったのは、やはりおばちゃん二人の車内映像であって、これは罰ゲームとは関係ないのであった。
 続いて登場のお笑い芸人はホリ。これも笑わせなければプレッシャーの場面。ここはお馴染みのネタに目の前の田中や山崎のネタを織り込んで頑張った。しかし、探偵ナイトスクープ桂小枝ネタというのは初めて見たな。
 そして、浜田雅功登場。嘘か誠か「ダウンタウンの浜田が来た」と読んだ松本人志は凄い。が、浜田の登場でやや理不尽な暴力が増え、正直なところ俺は多少引いた。下品なお笑い番組贔屓、ダウンタウン贔屓の俺がこう想うのだから、あるいはここらあたりで強い嫌悪感を抱く人もいたかもしれない。ドッキリの時のビンタはともかく、スーパーボールキャッチのビンタは多少強引と言うか、流れ的に必要か?という感じであったもの。
 とはいえ、その後の教室内ではじまったビートたけしのモノマネ合戦はよかった。山崎の「ダンカ〜ン、コロッケ取って」は秀逸。あのあたり、たとえ仲間とはいえ笑わせてやろうという、お笑い芸人の性が出たか。だいたい、この人らの性質を考えると、放置プレイで放っておいても相当な「アウト!」が出そうだものな。
 このあたりで日が暮れて、体育館で晩飯。カレーを配膳するのが石原軍団(のようなもの)というのはともかく、あるいは今回の主役でもある‘板尾の嫁’登場。「お金のにおいがする」というのはダブルミーニングかともかく、あの振り付けのバリエーションに確固とした表情。伊達に板尾の嫁ではないのだ。
 ……と、ここで板尾創路が出ていたことを思い出した。他校の不良役で、ロケットカウルで颯爽と登場。なんでんかんでんとにらみ合い、という出番であった。板尾のお笑いの天性は今更言うに及ばないが、今回は多少物足りなかった。本人、どんどん映画方向に行っているのか、もっとこういう番組で見たいものだが。あと、出演映画もいつか見たいと思う。
 それで、えーと、就寝。今夜が山田ももうマンネリ気味か。で、山田花子トイレの花子さん。これはなんだ、なんか可愛いな、酔っぱらった花子は。しかし、何度も「フランスのワイン」言ってるあたり、本当にできあがってるようだ。飲んでるあたりは、未公開映像編で流すのかな。
 そして、朝になって卒業式。板尾の嫁のプッシュに、庄司智春の「ぱぴぷぺぽ」。庄司も妙なキャラを定着させたもんだ。いや、定着してるのかどうかわからんが。エンドロールによれば、田中95発、遠藤103発、山崎103(105?メモが〜こんなものをメモする俺は間違いなくアホだな―読めない)、松本162発という結果であった。
 こんなところか。だんだん尻つぼみになっていったのは、これを打っている今、昼休みを十五分ほど過ぎてしまったからというのもあるが、あるいは番組自体の流れに即しているような気もする。しかし、このシリーズは見る価値があると思うので、どうにか続いて欲しいもの。次は「笑ってはいけない」じゃなくて、幽霊旅館の方をやってもらいたい。