「上場は反対!」と星野SDは言った

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2005/10/12/01.html

株主は配当、ファンは激しいプレーと目的が違うんだ。

 通称村上ファンドの球団株式上場について、またもや星野仙一が火を吹いた。昨夜のニュース番組にも出演しており、俺はニュース23でたまたま見た。しかし、どうにも星野の歯切れが良くない。いや、歯切れは良いかもしれないが、論理の方がいまいち納得できなかった。株主になるのは一部のファンだが、阪神タイガースはファンみんなのもの、という。しかし、だからといってタイガースは阪神電鉄というもっとごく一部のものでしょう、今は。株主とファンの目的の違いも、株主をオーナー企業に置き換えたって成り立つし。
 そりゃたしかにタイガースを長い間維持し続けてきた阪神電鉄という企業に対して敬意と感謝は必要だ。しかし、だからといって阪神電鉄にオーナー権が神授されたわけでもないし、今後本体がどうかなったときにどうなるかという保証もない。そう、同じ関西圏の電鉄企業で、ファンの意向なんぞ全く無視して、チームを売却どころか合併消滅させたケースがあったばかりじゃないか。だから俺は、どうも星野やナベツネ阪神幹部の言うことには首肯できない。金じゃないというが、金に目を瞑りすぎてきたせいで、プロ野球が危機に陥ったというに。
 とはいえ、村上世彰がスポーツ界によりよい変革をもたらすありがたい存在、とも決して思わない。しかし、たとえば上場と言ったって、全株式のうちのどれだけを売りに出すのか、みたいな比率によっても大違いだろうし、一つの道として考えられることじゃないかと思う。少なくとも、球界に揺さぶりをかけたという事態自体はそれほど悪くないんじゃないかと思ったり。しかし、こういうときに限ってオーナー連中もコミッショナーも動きが早く、保身の一枚岩は磐石ときている。はたしてどうなることやら。本当はパリーグプレーオフや、その先の日本シリーズストーブリーグの移籍情報に熱中したいところではあるけれど……。