ねこのみち

goldhead2005-11-11

 一番目に出会うネコは、二つ下の棟の一階で飼われているやつだ。室内育ち(ここはペット禁止なんだけどね)せいか、実におっかなびっくりドアの前。そのわりに、人が通ると興味津々で時には近づいて来さえする。家ネコだけあって、毛並みがとてもよく、お坊ちゃんという雰囲気。
★☆☆☆☆
 二番目に見かけるネコは、下の路地脇にいつもいる三毛猫。貫録十分で、路地を見張ってるという雰囲気。近づいても逃げず、指を差し出すとにおいを嗅いだりする。たまに鳴くと、やけにかすれた声を出す。手作り風の首輪はちょっと派手だ。
★★☆☆☆
 三番目のネコは、こじゃれた家のガレージにいるやつだ。いつも車の上に居て、車カバーは爪研ぎの痕でボロボロになっている。こいつもかなり毛並みがいいけれど、模様の白いあたりが頭に集まっていて、どことなくハゲという印象。
★★★☆☆
 四番目に出くわすのは階段あたりの黒猫だ。俺はネコにかなり構っていただけるタイプと自負しているが、黒猫だけはどうも相性が悪い。それとも、それが黒猫の矜持かしらん。この黒猫も俊敏なタイプで、通行人に媚を売ったりはしない。たまに雑草相手にシャドウ・ボクシングを繰り広げている。
★★★★☆
 五番目のやつは危険なネコだ。人に襲いかかる? 否、否、いつ通りがかっても寝ているのだ。ネコの語源が‘寝子’だっていう説に有効票一票だ。小春日和の朝に、腹丸出しで眠りこけているネコを見たりしたら、勤労意欲どは消え失せてしまう。だから、とても危険なネコだ。
★★★★★
 六番目のことはまだよく知らない。職場の駐車場でバッタリ出くわす。模様からしてとても汚いやつで、これも媚びたところがない。薄汚れた街のネコという感じを醸し出している。思わずにらみ合ったりしてみたりする。こいつはあまり寝ないタイプのネコじゃないかと思う。
☆☆☆☆☆
 経費削減のため、定期券を更新しなかった。だから最近は毎朝自動的に徒歩だ。毎晩自動的に徒歩だ。路にはまだ何匹かネコが隠れていそうな気がする。