アマゾン?

 ネット書店ってもはや当たり前のものになっていて、ニュース23みたいな番組が「街の文化である商店街の本屋さんが消える」みたいな論調で語ってたりするのを見たこともあったんだけど、それを見ながら「街の本屋さん」のどこが文化的なんだかさっぱりわかんねぇよ、売れ筋の雑誌と売れ筋の本と売れ筋の漫画しか置いてねえじゃねえかみたいな風に思ったりして、俺は本屋も本棚も大好きだけど、少なくともそこらあたりの街の本屋にいっさいの魅力を感じなくて、街にはある程度本棚に並べてる奴の意志が見えるような古本屋か、見えなくてもいいからなんか変なものが混じってるような古本屋があればよくて、後はAmazonで買うから、e-bookoffで買うからって感じかな。
 そんなAmazonの市川の巨大倉庫を、昨日か一昨日の朝、極楽とんぼの加藤の方が司会の番組で紹介してて、俺がユニークだなと思ったのは倉庫内の巨大な棚の整理方法であって、エロ本も漫画も專門書もぜーんぶバラバラにつっこまれてて、漫画だって続き物でも巻数ごとに全部バラバラで、それでどうやって管理するかっていうと、本棚にぶち込んだ時に棚と本のバーコードをピッピッて登録しといて、後は注文に応じてその本棚の場所が吐き出されて、そこに取りに行けばいいってだけ。これのメリットは、膨大な量の本を入荷して、それを棚ごとに分ける無駄を省き、また、似たような本の中から目的の物をピックアップするよりも、判型もバラバラなものの間から抜き出す方が簡単って考え方(百冊のこち亀の中からこち亀の六十巻を探すより、エロ小説と百科事典に挟まれたこち亀六十巻を抜き出す方が間違いもないというわけ)で、このコンピュータ的合理性とマン・マシーンの特性が見事にマッチングしてるのにいたく感じ入ったわけなので。それと、本棚を巡る経路も順番通り打ち出されて(『中国人郵便配達問題』? ASIN:4062581485)、そのあたりもいたれりつくせりだなとか。それでも、ピックアップマシーンは人間が今のところ一番優れているのだな、とか。あの仕事はちょっと楽しそうではあるが、俺には体力が無いので無理そうだな、とか。
 というわけで、アレキサンドリアの大図書館のようなものが千葉の市川にあって、俺はときおりそこからいろいろなものを買ったりするのだった。