流れよ我が涙、とファイター豊川は言った

goldhead2006-01-19

 日記の中に「将棋」というカテゴリを用意しておきながら、ここのところさっぱり触れるところのないプロ将棋の世界。しかし、昨日の「トリビアの泉」には思わず見入ってしまった。なんといっても、NHK杯における‘ファイター豊川’こと豊川孝弘の二歩だもの。映像としては初めて見る。そうか、相手は田村康介だったか。田村は早指し得意の力戦タイプで、贔屓の棋士id:goldhead:20040815#p1)。あるいは、秒読みにおける田村のプレッシャーが効いたのかな。
 しかし、一番感じ入ったのは、「申し訳ない」という豊川六段の台詞。対局を台無しにしてしまったことに対する詫びが出てくる。さすがはファイター、真摯に対局者と将棋に向かう姿勢である。全般的にお笑いエピソードであることは否めないが、この一点において将棋指しのかっこよさを感じてしまった俺である。
 ところで、なんで紹介役が森下卓九段だったのだろう。現在の解説者は‘お化け屋敷’屋敷伸之だしな。やはりこの、棋士としては「一生忘れられない恥」を晒すことになる企画において、この誰もやりたがらないところを任されるあたりが、‘棋界一の律儀者’なのだろうか。
 とにもかくにも、この放送で豊川六段の知名度はあまりよろこべない意味で広まったかと思う。何せテレビの影響は大きい。先崎学八段が書いていたことだが、将棋ファンの中にもNHK杯が一番大きな大会だと思う人がいて、自らが敗退した放送があった後にタクシーの運転手さんだかに心配されたとかいう。しかしながら、こういったオモシロエピソードもあるいは将棋への入り口になるかもしれない。いつまでも羽生善治四冠の知名度ばかりに頼ってはいられない(競馬界における武豊と本当に被るな)のだ。なんだかよくわからないが、がんばれ豊川、がんばれ田村、がんばれ森下。

  • 他のトリビアはなんだったか。おでんを一ヶ月煮込むやつか。八嶋智人の言うとおり、何か一つくらい究極の美味が混ざっていれば面白かったか。八嶋といえば、風船にミカン汁。一瞬「割れないの?」となったあたりまで克明に記録するスロー映像はすごい。しかし、ゴムじゃなくないコンドームにも御法度なんだろうか。注意書きにバターやマーガリンなど妙に生々しい物品は記されているかと思うが、果たして。しかし、ミカン汁がどうセックスに介入するのかは想像しがたい。あと、ふてぶてしい鳥はそれほどでもなかったと思う。