『グラップラー刃牙』『バキ』/板垣恵介

goldhead2006-02-09

 ここのところ完全にバキ漬けの俺である。何を見てもバキの世界に見えると言っても過言ではない。部屋のそこらへんにバラバラに「バキ」が積んであって、拾って読んでは次を探し、いきなり別の巻に飛んでは……の繰り返しである。
 ことは数週前に遡る。たまたま訪れた人の家にあったのだ、『バキ』が、死刑囚編が。それで、俺は思わず読み始めてしまったというわけだ。このシリーズについては、薄々存在は知っていた。が、読んだり買ったりする機会を逃していたわけだ。で、それなりキリはいいが途中からでも、とりあえず読み始めて、そしてハマってしまった。人の家で半分くらい読み漁り、残り半分を借りて帰って読み耽った。そして、たまらずに最大トーナメント編一気買いという暴挙に出た。もちろん古本。いやはや。
 というわけで、妙な順番で読んでいるが、まああまり気にならない。とにかく面白い。そういえば俺は長い間少年漫画から遠ざかっていた。桜玉吉花輪和一つげ義春など読んでいた。それじゃあ、力みが足りない。そもそも俺は少年漫画も大好きだ。ただ、週刊漫画誌を買う財力、長い単行本を買う財力に欠けるため、あえて遠ざかっていただけだ(寡作の作家の単行本ならたまにしか買わないで済む)。いや、それだけに餓えていたのか、俺は、という感じ。ぱーっと脳内漫画物質が分泌された感じ。14kgの果糖水が体中に染みこんでいく感じ。
 もちろん、このシリーズがある意味笑いのネタになることも承知の上。しかし、それでもこのたび通し読みして俺を捕らえたのは、それ以外の要素。もう、この馬鹿っぷり。たまらない。俺は『アストロ球団』という漫画が大好きだが、あれはさすがに本気でのハマリ方はできなかった(皆無ではない)。どうしても笑ってしまう。しかし、このシリーズに関しては、まあ真剣なものですよ。ホントに。
 さて、今後はどうしよう。やはりどうも、死刑囚編→中国編→ジュニア編の流れはあまり面白くないというか、どんどんダレ気味だ(借りた単行本もジュニアが独歩に負けたところで終わってるが、あまり続きが気にならない)。死刑囚編の前半は燃える部分も少なからずあったし、中国編とてそうなのだが……。ここは一つ、最初の最初から遡るべきだろうか。現在連載中のを追う気も少ない。いや、あまりそんな気持ちがないのも事実。最大トーナメント編だけであと三年は戦える、そんな気持ちなのである。