閉じる方のカッコだけ半角なのが気になる

http://www.jspa.gr.jp/pse/

電気用品安全法PSE法)に対する署名

 俺はどうにも署名というのにはたじろいでしまうというか、気乗りしないタイプの人間だ。街中でなんらかの活動の署名など求められても、まず応じることはなくて、そんな一瞬の判断で自分の名前を差し出せるかよ、みたいな気になってしまう。知り合いに当たり障りのない署名を頼まれても(私学助成金について、など)、一瞬ためらってしまう。そんな風に自意識過剰が放電しているような俺なので、ネット上で何か賛同できそうな気配があっても、よほど自分がその件について理解しているという自信がないと、たとえばどこかの匿名掲示板で賛成の意見を示せたりしても、署名には抵抗があったりするのだ。
 そしてこの件。最初は自ニュFで知ったのだけれど、まずは「中古ゲーム機」が話題になっていたように思う。しかし、話は広がりを見せているようで、「経済産業省の消費経済部長のBlogが炎上」(http://news.2-3-0.org/comment/comment_200602_261.php)したりしている。それに、ゲーム機に限らず中古楽器や、あるいは町工場などの特殊機械も資産としての価値を失うらしい(……この「らしい」が息苦しい。しかし、らしくなくもなく、完全な確信はなくとも、俺にとってはそう判断するところだが、自分の内部で満水まで遠い。いや、実際だいたい遠いものを遠くなさそうに書いたり、遠いと書いたりするしかないのだけれど、気づくか気づかないかという分水嶺が上流にある)。これは小さな会社などには何か大きな打撃があるということらしい。
 直接的な打撃といえば、やはり古物商的な、中古屋的なところだろう。大手には大手の手の打ちようもあるが、中小零細には厳しいだろう。と、こうなるとやはり俺は中小零細あるいはそれ以下の社会のゴミ屑みたいな存在なので、思うところはある。例えば、無知と貧困に喘ぐ衆生を豊饒の楽土に導かれる日本国家の頭脳中枢たる「経済産業省の消費経済部長」にして、地球環境の百鬼夜行の害を放逐せんとする至高至純の理念を胸に秘めた「環境ビジネスウィメン」であられる谷みどり様(http://www.herb.or.jp/member_tani.php大八洲をあまねく照らし出す天地開闢以来最高の経歴!)の問題のブログ(http://blogs.dion.ne.jp/tanimidori/archives/2846299.html)のいかにもな役人文章(なので、これを谷みどり氏一個人に帰するわけでは決してないのだけれど)を読んで惨めのクソの気持ちになったりしたりするわけで、炎上しているコメント欄のいくつかは本当に実害を受ける目に遭っていて心底惨めのクソみたいな気持ちになっている奴もいるんだろうな、などと思ってしまう。
 しかし、俺は俺のクソの気持ちが俺をクソの方にさらに引っ張ることを知っているので、あまり沸き上がるクソを沸き上がるままにはさせておきたくない。俺はどうにも署名というのにはたじろいでしまうというか、気乗りしないタイプの人間だけれど、とりあえず坂本龍一が名を連ねる署名の呼びかけに署名した。
追記:やはり署名というのは嫌なものだ。勝ち目のない馬券を買うようなものだ。いや、馬券ならば損失が俺に返ってくるだけでいい。しかし、これは何か手に負えないものを負ってしまったような、あるいは放ってしまったような気になる。たとえば、この法案に反対する主張する中の、一部の極端なバカのやることなすことに賛同を示してしまったような気になる。あるいは、選挙などに似ているのか。そしてこの俺の自意識過剰っぷりはどうだろう。でも、名前を預けるってのはそのくらいの覚悟が必要じゃないのか。古代にあっては名前がもっとも基本的な呪文であった。