お台場明石城は好きでないけれど

goldhead2006-02-21

 松鶴家千とせがテレビに出ていたので思わず見てしまった。松鶴家千とせと言えば、「むかし俺が夕焼けだったころ、妹は小焼けだった。父ちゃんは胸焼けで、お袋は風呂場でふやけていた。わかるかなぁ〜? わかんねぇだろうな〜」の芸人である。世代的に俺は松鶴家千とせがバリバリのころを知らない。しかし、あらためてその存在感にしびれた。なんかサミュエル・L・ジャクソンみたいじゃないですか。ピアスとかしてかっこいい。それにあれだ、リズムを取り入れたネタはシュール&ナンセンス、そしてそこはかとないイケメン風味。今の百年先を行ってたというわけである。
 それはそうと、この日の企画は、松鶴家千とせの後継者を選ぼう、というもの。集められたのは、村上ショージ千原兄弟井上マーというよくわからない組み合わせ。彼らが一人一人師匠の前で芸を披露ということになったのだが、これが想定外に笑えた。控え室で緊張の激臭を口から出していたというだけある。
 トップバッターは千原ジュニア。扮装だけで面白いが、ネタもいい。ただ、ナンセンスにあまりなっていない。ここらあたりは松鶴家千とせをして踏み込める領域か。二番手は井上マー尾崎豊芸とブレンドして、これも健闘。しかし、やはり意味がまとまりすぎてしまう。いや、別にいいんだけど。三番手は千原兄で、出てきたときのインパクトは一番で、ネタも一番笑えた。が、結局四代目松鶴家千とせを継ぐことになった(?)のは最後の村上ショージ。ドゥーンだけではなく、長々と脚韻踏む意外な才能を見せたというところ。ガスの元栓でナンセンスになだれ込むところもよかったか。
 ……というわけで、企画自体は楽しんだのだが、その後がいけない。俺はそもそもフジテレビの内輪ネタは嫌いじゃないし、二十七時間テレビなどの系列局対抗なんてのも楽しみにしているくちだ。しかし、この番組はどうもいけない。なぜだかよくわからない。あるいは、大企業のエリート社員様のお遊びを拝見しているという貧乏人の卑しい心もちがあるからか。しかし、この番組の明石家さんまもいただけない。他の番組でのさんまに嫌な感じを抱くことはあまりない(皆無ではない)けれど、この番組は見ていられない。スタッフの笑い声とかが、お追従に聞こえてしまう、そんな感じがある。うーん、なんだかなぁ、よくわかんねぇけどな〜。