知りませんでしたよ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060302-00000511-yom-ent

 テレビドラマ「時間ですよ」をはじめユニークな人気ドラマを手がけた演出家で作家の久世光彦(くぜ・てるひこ)さんが、2日朝、東京都世田谷区の自宅で亡くなっているのが見つかった。70歳だった。

 訃報を聞いて驚いた。‘くぜみつひこ’さんだと思いこんでいたからだ。これは中尊寺ゆつこさん(id:goldhead:20050131#p5)のケースと同じである。人の死をこんな風にくくっていいのかどうか知らないけれど(たぶん、よくない)。
 とはいえ、中尊寺さんのケースと違って、俺はこの人の本を読んだことがあるのだ。『蝶とヒットラー』(ASIN:4894563681)である。これ一冊きりだけれど、妙に印象に残る箇所があって、日本がナチスの制服が持つ美やダンディズムを持つにいたらなかったことについて論じたくだり。あまりに以前に読んだもので、また、多少取り扱いに注意を要するあたりの話かと思うので、あまり突っ込んだ感想は今ここに書けない。
 その後も氏の小説に含まれるエロスについて何かで読み、古本屋などで気にかける名前のリストにはあったが、今のところ縁がなかったのである。が、しかし、俺はどうも前述の本と小説の評判から、「時間ですよ」、「寺内貫太郎一家」(ともに見たことはない)に繋がる感じがしない。ここらあたりが久世光彦(くぜ・てるひこ)氏の妙味とすると、ますます興味深く思えるのであった。