やれやれ

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060310k0000m040171000c.html

 中央公論新社が調べたところ、当時の中央公論社は直筆原稿を倉庫で保管していた。ところが、「海」の名物編集者だった故・安原顕さんは、村上さんら担当した作家の原稿を多数、社に無断で自宅へ持ち帰っていた。

 あの村上春樹の無修正生原稿裏流出というショッキングなニュース。……って別に裏エロ業界を騒がせるわけじゃあないが、ショックな作家にとってはショックな話なのかもしれない(真上で話題にした藤原新也みたいに一切拘らない人もいるし)。
 しかし、こういう話もやがては無くなってくるんだろうな。なんてったって、晩年のチャールズ・ブコウスキーマッキントッシュを使う時代だ(id:goldhead:20050809#p1)。あれ、いや、アメリカなんかの場合、手書き→タイプライター→ワードプロセッサーか。そうすると、生タイプ原稿にはそういう価値があるんだろうか。これはありそうな気がするな。つーか、ハンクの晩年自体ずいぶん前か。
 ……えーとなんだ、まあとにかく、無くなってくるな、と。何せビーイング・デジタルの時代だもの。「これが作家の直接入力したデジタルデータです」と言ったところで、「ヘッダを公開しろ」、「電磁的証拠(て何?)を見せろ」みたいな話になるだけなのだ(ところで永田寿康は今どこで何をしているのだろう?)。あるいは何だろう、フロッピー、MO、CD-Rとかに価値が出るのか? それとも、今どき直接データ入稿だろうか。誰だっけ、あの指ぬきグローブの、そうだ、京極夏彦はインデザで直接入力してるとか読んだ覚えがあるな。となると、インデザのシリアルなんかを見て検証するのか。いや、そんなもんエディタで改ざん簡単だしな。
 というわけで、特に結論めいたものもないが、http://news.2-3-0.org/で見つけた二つのニュース(http://news.2-3-0.org/comment/comment_200603_172.phphttp://news.2-3-0.org/comment/comment_200603_167.php)からぼんやり思いついたことダラダラ。
 追記でグダグダ:フィッツジェラルドの「氷の宮殿」は読んだ覚えがある。南部女が北部に嫁いで、氷の宮殿でわやになってしまう話だった。しかし、野崎孝訳で読んだ(ASIN:4102063021)のか、村上春樹訳(ASIN:4122011345)で読んだのかどちらだったか。いや、これは『マイ・ロスト・シティー』だな。村上訳だ。しかし、その辺を読んだのは日記をつける前だったか。全部デジタル・アーカイブにしたい。ところで、フィッツジェラルドの名を見ると、俺は百発百中でデイト・オブ・バースの「ダンデライオン」(ASIN:B00005FDLT)という曲が再生される。歌詞に「話を聞かせようか/フィッツジェラルドみたいな男の話を」と出てくるが、その男がフィッツジェラルドみたいな男なのか、フィッツジェラルドの小説に出てくるような男なのか、いつも考えて、結局のところ似たようなものだという結論に達するのだが、それでいいのかどうかよくわからない。