ワールドベースボールクラシック:日本対アメリカ

goldhead2006-03-13

◆目を覚ましてテレビをつけると、藤田宗一ケン・グリフィー・ジュニアを内角高めでのけぞらせていた。次に薮田安彦が出てきて、アレックス・ロドリゲスを沈むボールで空振り三振に取っていた。何このフィールド・オブ・ドリームスな目覚め。
◆「今日は遅刻させていただきます。この試合を見届けなければ、プロ野球ファンとしての死です」と打電した。マジで。
松井秀喜を擁護するスポーツ新聞系マスコミの論調のせいで、「WBCアメリカ代表はスカスカ」みたいに思いこんでいたが、しっかり有名選手いるじゃないか。
◆「松中にも送りバントをさせるつなぎの野球」という論は結構だ。しかし、それはあくまでキャッチフレーズ上での話。本当につなぐ必要があれば、その場面でバントの巧い選手を代打に送るべきである。バントに失敗した多村仁は過去三年で二回しか犧打を成功させていない。去年に至ってはゼロである。これではつながるものもつながらない、単なる精神論にすぎない。そういう意味において、多村は悪くない。
◆問題のタッチアップ。こないだの亀田興毅ローブローではないが、プレイそのものよりも、審判の対応に「?」である。アメリカでもひっくり返るのか? ああいうアピールプレーにおける細かい手順についてはよくわからないので何とも言えないが。プレイ自体について、リプレイを見る限り、捕球前に西岡の体が始動していたのは確かだが、離塁自体は捕球と同時くらいに思えた。ちなみに、判定が覆った瞬間俺が一人ごちた言葉は「アメ公〜」であった。
イチローに敬遠策の本気っぷりはいい。立ち上がって声援とブーイングが相半ばしたというアメリカの観客はさすがのように思える。
◆九回裏。藤川球児が登板も、エラーや死球から乱れ気味で満塁。グリフィーJr.を仕留めたのにはしびれたが、最後A.ロッドにやられる。負けはしたが、何とも言えないいい試合を見た、という満足感はあった。判定にひっかかったところはあるけれど。
◆日本チームに弱点があるとすれば、やはり抑え、クローザーだろう。どこかのチームで何年も守護神として安定してやってきた存在に欠ける。編制が自由にいかなかったゆえの結果だろうけれど、ここが多少不安だ。いくら中継ぎで神懸かり的な活躍をしてきた選手とはいえ、締めは締めで別業種だろうから。
◆俺はタッチアップ判定についてそれほど憤りを感じてはない。アウェイならそういうのも乗り越えなければいけない。しかし、次のことを思い出したのでメモしておく。時は昭和49年11月2日後楽園スタジアム。王貞治ハンク・アーロンという世紀のホームラン競争が行われた。ペルクーダスはその時の主審である。
『戦後プロ野球50年 川上、ON、そしてイチローへ』近藤唯之(ASIN:4101322120

 「4回の3打球目も本塁打のヤツを、ファウルにいいふくめました。ペルクーダス謀略で王さんは2本損しました」(峰国安)
 結果は10対9でアーロンが勝った。このスコアとペルクーダス謀略を重ね合わせるとき、なんともやり切れない気分になる。

 ……言うまでもないが、近藤御大の話なので、事実関係はわからない。しかし、アメリカ人は負けず嫌いなのだ。それだけは確かだ。そのアメリカに勝つのが日本プロ野球の目標である。ここまで来たら強敵といえどもメキシコと韓国に負けるわけにもいかない。リメンバー・パールハーバーの心意気で戦ってほしい(たとえが大いに問題あるような気がするが気にしない)。
◆スピードガンを持っているらしい人が帽子にサングラスに髭で、無意味にガンマンって感じだった。
◆日本とアメリカのユニフォーム、ともに基調となるカラーが一緒で、まるで紅白戦のようだった。たとえば、代表の先達であるサッカーにならって、あのブルーなど採用したらどうだったか。いや、野球には似合わないだろうか。