http://www.nikkansports.com/baseball/f-bb-tp0-20060320-9351.html
WBC日本−韓国戦、50%が見た!
俺も見た! まあ、大した数字じゃないですか。別に視聴率至上主義でもなんでもないけれど、貧困層のプロ野球ファンとしては地上波にすがるより他ないのです。
それにしても、なんと日本にとって劇的な展開。三度に渡る韓国戦、リベンジを果たしての決勝進出だなんて、ちょっと漫画みたいじゃないですか。いや、漫画ならばいろいろな敵が登場しますか。しかし、ボブ・デービッドソン審判という敵の存在は大きかった。彼はこの大会の影のMVPといってもいいのではないでしょうか。いや、決勝戦でさらに酷い誤審を起こす可能性もあるので、笑い話で済まされるとは限りませんが。
http://www.nikkansports.com/baseball/p-bb-tp0-20060320-9328.html
19日付のニューヨーク・デーリーニューズ紙が、WBCをビジネス面から分析し、同大会が予想以上の成功を収めていると伝えた。
しかし、盛りあがりが日本だけで、大会が今回限りだったりして……なんてことも思ったわけです。でも、やはりアメ公は野球好きです。よかったよかった。イベントってのはやってみてナンボってところがあるものです。一歩一歩正統性と格式を備えていくものです。ある意味、色物キャラのデービッドソン審判なんかが見られる一回目は貴重だったのかもしれません。もちろん、目の色を変えてナショナル・チームを編制してくるアメリカが次回以降無敵になる懸念もありますが(中南米選手もバシバシ帰化させて)。
試合自体の話は、もうさんざんテレビなどでやっているし、特に言いたいこともありません。上原浩治があのテンポでずばずばいったらまず相手は打てない。そして、ついに爆発してくれた打線……、なのですが、やはり一つだけ気になったことがありました。以前、私は次のように書きました。
http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20060313#p1
本当につなぐ必要があれば、その場面でバントの巧い選手を代打に送るべきである。バントに失敗した多村仁は過去三年で二回しか犧打を成功させていない。去年に至ってはゼロである。これではつながるものもつながらない、単なる精神論にすぎない。そういう意味において、多村は悪くない。
これを、準決勝でもその前の試合でも繰り返していたのです。昨日の試合では、アナウンサーも解説の佐々木主浩も指摘していましたが、本当にこの用兵は理解しがたいものがあります。多村がバントの構えを見せたとき、「王はわざと負けるつもりなのか」とすら思いました。ベンチには代打の名人宮本慎也がいるじゃないですか、と。
……が、結果として多村のミスを帳消しする形で、不調でスタメン落ちの福留が代打で出てきて本塁打するのだから野球ってのはわからないんだなぁ。その後には宮本のタイムリーだもの。
テレビの前の野球ファンに指摘されるような采配では見えない流れのようなものがあるんだろうか。あえて多村を人柱としてバント失敗させることによって、もっと大きな流れを生み出す。そんな呪術的なまでの‘犧打’があるのだとしたら、とてもじゃないが王監督の采配を批判できない。しかし、何十年も野球で飯を食ってきた人間の感覚を類推するのは無理なので、王さん、キューバ戦では代打宮本で一つ、と書いておきたい。
いつの間にか口調が変わった。まあいいか。キューバはアマと言われるが、国家事業の中枢を担う高級エリート官僚みたいなものだ。プロ中のプロですよ、一チームとしてのプロですよ。確かに野球は投手対打者の個人技的なところは大きい。しかし、チームとしての結束力が必要不可欠であることも確かだ。チームとしての完成度は参加国隨一であろうキューバに、王ジャパンの呪術野球がどこまで通用するのか楽しみである。