思っていたより千葉は遠くて

 俺は人生の大半を湘南モノレール沿線で過ごしてきた人間だ。だから、湘南モノレールへの思い入れは強い。モノレールに対する思い入れもある。しかし、懸垂形に限る。懸垂形モノレール主義者といってもいい。何を主張する主義なのかよくわからないが。
 そんな俺にとって、気にせざるを得ないのが千葉都市モノレールの存在である。同じサフェージュ式の懸垂形モノレール。どうもそういう存在があるらしいという話は薄々感じてはいたが、そろそろ俺もそれを確かめに旅立たねばいけないのではないか、という気になってきている。はるか東方に、プレスター・ジョンの国を夢見たヨーロッパ人の探求心に近い。なぜ今なのか、その理由はよくわからないが。
 そこで、下調べだ。千葉都市モノレールのサイト(http://www.chiba-monorail.co.jp/)を見てみる。なんと、1号線と2号線がある。しかも、総距離においてギネスブックに掲載されているうえに、延伸計画まであるようだ。あなどりがたし千葉都市モノレール湘南モノレール派としては、目の上のたんこぶではないか。さらにはラッピング車両の激しさ(http://www.chiba-monorail.co.jp/wrapping.htm)なども相当のものである。これはますますこの目で確認し、乗ってみないわけにはいかない。
 しかし、あえなく計画は頓挫した。Yahoo!の路線で調べてみたら、ここらあたりから千葉まで片道で千五百円近くかかる。千五百円かけて千葉に行き、モノレール乗って、千五百円かけて帰ってくる。俺は、貧乏で、そこまでのモノレールマニアではない。しかし、いつの日か、この目で青い懸垂式を確認しよう。その思いは胸に秘めておく。いや、秘める必要はないのだけれど。