立花隆は電気羊の夢を見るか?

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 NHK立花隆のサイボーグものをやっていた。以前のNHKスペシャルの続編というか、そういうものだろう。今回は前回の映像と攻殻機動隊の映画の映像を織り交ぜ、新たに対談を加えたような形になっていた。何度見てもインパクトのある映像(ロボット・アームの主婦やむしろローテク・義眼のイギリス人など)が多く、繰り返しでも飽きることはなかった。 
 それで、やはり押井守が出てくるわけだ。それだけにあのGHOST IN THE SHELLイノセンスの映像はすごかったという話か。もちろん、身体論みたいなのやサイボーグについて一席ぶつタイプ(id:goldhead:20050711#p2)だしな。しかし、全くそれらと関係ない感じの立ち食い映画が宣伝されていたのには笑った。
 とはいえ、なんだ、その、士郎正宗はエネッチケー的にはアウトなんだろうか。俺はべつに押井、士郎いずれのファンでもあり、それほど熱心なファンでもない言えるが、そこはちょっと気になった。けど、なんか、「義体」云々を語るあたりで不自然に編集でぶった切られていたような感じもあったし、省略ということだろうか。まあ、シロマサを出したら、ウィリアム・ギブスンも……とかなっていって、リラダンまで遡ったりしたら面倒か。
 えーと、それで、内容か。どうだろうね、そうだろうね、もう、サイボーグ技術を倫理やなんかで止めたりすることはできないんだろうね。脳コンピュータインターフェイス時代がめでたく到来するんだろう。残念なことに、それを下々の自分が享受できる年代にはなさそうだけれど。
 しかしなんだ、やはり脳の身体化(id:goldhead:20060325#p2)だな。それで、義肢やパワードスーツで身体が機械化するのと同様に、脳の機械化、と。「唯脳論」から「唯の脳」に、と。タダといえば、この件に関して、多田富雄センセはどういうお考えなんだか取材してもらいたかったとか。
 ああ、しかし、立花の電極実験ハイはうらやましいな。あれはやってみたい。そういう気になる。しかし、怖さもある。何が怖いって、自我だとかそういうレベルではなく、「なんかの間違いでものっそい痛みを感じたりしないのか」みたいな怖さ。ああいうの使えば、永遠に腕が変な方にへし折られる苦痛とか繰り返せるような、そんな怖さ。想像するだけでキンタマキュー。……いや、ぞれ以前に俺は注射が駄目なのだ。注射を考えるだけで手に汗がにじむ。同様に入れ歯がサイボーグだと言われても、歯医者も怖い。やはり昭和生まれにサイボーグは遠い夢でしかないのか。